銀行の住宅ローン、9月から金利引き上げ 「固定型」で5か月ぶり

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変動金利型住宅ローンの金利は下がらない

   一方で、9月適用分の変動金利型住宅ローンの金利は、年2.475%(店頭表示金利)のまま、据え置かれた。

   その理由は、長期金利にほぼ連動する固定金利型と異なり、「変動金利型の場合、金利が短期プライムレート(短プラ)の動きに連動するため」(みずほ銀行)だ。

   短プラは、企業向けの短期(1年以内)貸し出しに適用する最優遇金利をいう。変動金利型住宅ローンは、それを基準(指標)に1%程度上乗せした水準(店頭表示金利の場合)で、半年ごとに金利を見直す。

   じつは短プラも、すでに空前の超低金利の状況にある。企業向け融資が大きな収益源の銀行にとって、短プラを引き上げたいとの思いはあるが、金利を引き上げれば、企業はなおのこと資金を借りなくなるので引き上げにくい。つまり、銀行が短プラを引き上げないため、変動金利型住宅ローンの金利も上がらないというわけだ。

   ただ、その変動金利型にも優遇金利があり、たとえば三菱東京UFJ銀行の場合、給与振込口座があることや、電気やガス、水道などの公共料金の口座引き落としやカードローンなどの取引ぶりに応じて、年2.475%の金利が年0.625%~0.875%に引き下げられて適用される。固定金利型と同じように、変動金利型も過去最低の水準であることには変わりない。

   そんな固定金利型と変動金利型がある住宅ローンだが、長期金利が下がっている一方で、短プラが下がらないために、8月は両者の適用金利の「逆転」現象が起っていた。

   住宅ローン金利では、将来的な金利の変動リスクがある「変動型」と、金利が変動しない「固定型」とでは、変動型の金利が低く、固定型の金利が高いというのが一般的。「逆転」の原因は、2016年2月に日本銀行がマイナス金利政策を導入したことだ。

   たとえば、三菱東京UFJ銀行の変動金利型の最優遇金利(8月分)は0.625%だが、10年固定特約タイプでは年0.5%になっている。その差は0.125%もある。

   通常、変動金利型は、将来の金利上昇の負担を利用者が負うことになるため、金利が低く設定されている。逆に、固定金利型は将来の金利変動リスクを、銀行が負う。預金(調達)金利が上昇しても低い金利のまま長期に貸し続けるので、変動金利型より高めの金利が設定されているわけだ。

   8月時点で、固定金利型と変動金利型とのかい離は0.05%~0.1%程度あった。

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