両親が長生きだった人は自分も長生きする傾向があることが、大規模な遺伝子バンクの研究で明らかになった。両親から丈夫な心臓と致命的ながんにかかりにくい体質を受け継いでいる可能性が高いからだ。
英国エクセター大学の研究チームが米心臓学会誌「JACC」の2016年8月号に発表した。両親の死亡年齢が健康に影響を与える初の研究だという。
親の寿命が10年伸びると死亡リスク16%減
研究チームは、世界最大級の英国バイオバンクに登録されている55~73歳の男女約18万6000人を対象に平均8年間追跡調査した。そして、両親の死亡年齢と本人の死亡リスクとの関係を分析した。
その結果、両親のどちらか一方でも70歳以上まで生きた人は、そうでない人に比べ、60~70代を健康に過ごすチャンスが高いことがわかった。具体的な例をあげると、両親の少なくとも1人が70歳以上まで生存すると、60~70代に心臓病で死ぬリスクは平均より20%低下し、がんで死ぬリスクも7%低くなった。また、両親のどちらか一方の寿命が10年伸びるごとに、自分の全死亡リスク(あらゆる病気で死ぬ確率)も全年代(50~80代で)で平均より約16%ずつ減った。つまり、それだけ長生きする可能性が高いわけだ。