新潟県の泉田裕彦知事(53)は2016年8月30日、4選を目指していた県知事選(9月29日告示、10月16日投開票)から撤退すると発表した。30日、後援会サイトに掲載した文書内で明らかにした。
撤退の理由としているのは、地元の有力紙「新潟日報」との間に生じた報道をめぐる軋轢だ。
「憶測記事や事実に反する報道が続きました」
泉田氏は文書の中で「今回の選挙は政策論と関係ない動きが続いていると感じています」と指摘し、新潟日報を名指しした。
同紙はこれまで、県が出資する第三セクターの子会社が関わったフェリー購入契約のトラブルについて批判的に報じてきた。泉田氏は一連の報道について「憶測記事や事実に反する報道が続きました」と説明。同紙には再三申し入れを行ってきたが訂正や説明はなかったといい、「県が組織的に虚偽答弁をしているのではないか等の誤った印象が形成されているように思います」と主張した。
その上で泉田氏は「このような環境の中では、十分に訴えを県民の皆様にお届けすることは難しい」とし、「この秋の新潟県知事選挙からは撤退したいと思います」と表明した。
泉田氏は新潟県加茂市出身。現在3期目で、2月の県議会では出馬の意向を明らかにしていたが、一転取りやめとなった。
だが、この説明に納得していない人も多いようで、泉田氏のツイッターには県民とみられる人々から「県民は不出馬なんて望んでないです」「そんなに卑劣な報道があったなら、選挙に出てその卑劣さを訴えた方がいいと思います」といった声がいくつも寄せられている。ネット上でも「それが出馬撤回の理由と言うのがよくわからない」「だったら戦えばいいじゃん」といった声が少なくない。