元AV女優の紅音(あかね)ほたるさんが、2016年8月15日に急死していたことがわかった。享年32。事務所社長でパートナーの男性が8月29日、フェイスブックで明かした。
直接の死因は分かっていないが、紅音さんはぜんそくを患っており、最近悪化していたという。ぜんそくは、年間2000人近くが呼吸困難で亡くなる恐ろしい病気だ。
「まさか自分が」と受診が遅れ、深刻な事態に
男性のフェイスブックによると、紅音さんはここのところ、朝になるとひどく咳き込んでいることが多かったそうだ。そのため、ぜんそくの急性発作が原因で亡くなったのではないかと推測している。
紅音さん自身、2015年10月4日付のブログで、「下戸のくせに4年前まで凄い飲んでいたら人間ドッグで引っかかり、飲酒ドクターストップなり」、それでも急にやめられずに、ごまかしながら飲み続けていたところ、ぜんそくが悪化したと明かしていた。
紅音さんがぜんそくを発症したのは成人してからだと、男性のフェイスブックに書かれていた。こうした「おとなのぜんそく」について、沢井製薬が運営するウェブサイト「サワイ健康推進課」で、帝京大医学部内科学講座呼吸器・アレルギー学教授の大田健氏は、「気道の炎症に体質やストレスなど様々な要因が関係して発症するので、まさか自分がぜんそくとは思わず受診が遅れることもあるようです」と説明。さらに「治療法の普及とともにぜんそく死は確実に減っている一方で、つい(薬の)服用を怠りがちな軽症例の患者さんが急死する事態が多くなっています」と警告している。
2015年7月16日付「日経ウーマンオンライン」では、ぜんそくだという自覚がないまま最初の発作が起きた場合、自分で何が起きているかが分からずに救急措置が遅れ、最悪の場合は死に至ると警鐘を鳴らしている。「ぜんそくとしては軽症の患者でも、たまたま起こった激しい発作で亡くなることがある」というから恐ろしい。
「人類最強の女」も世界選手権直前に...
ぜんそくと相性が悪いもののひとつが、飲酒だ。紅音さん自身、アルコールを飲み続けていたらぜんそくが悪化したと告白している。
厚生労働科学研究班の情報サイト「リウマチ・アレルギー情報センター」によると、ぜんそく患者の約半数が飲酒による症状の悪化を経験しているという。またスギ花粉はぜんそくを起こすことはあまり多くない半面、夏の終わりから秋にかけて増えるブタクサの花粉は、ぜんそくを誘引する。これからの時期は、注意が必要だ。
「おとなぜんそく」の有名人も少なくない。そのひとりが、女子レスリングの吉田沙保里選手だ。2015年9月の世界選手権前から体調を崩し、ぜんそくと診断された。ただし、その後薬を服用して調子を取り戻し、リオデジャネイロ五輪では「4連覇」は逃したものの、銀メダルを手にした。放置すると恐ろしいぜんそくだが、上手にコントロールしながら付き合っていくのが大切だ。