お笑いコンビ「ダウンタウン」の松本人志さんが、2016年8月28日放送の情報番組「ワイドナショー」(フジテレビ系)で語った「いじめ」と「イジり」の線引きをめぐる持論に、インターネット上で異論が噴出している。
イジりは「笑える」が、いじめは「面白くない」――。両者の違いについて、このように「笑い」を基準に語った松本さんに対し、番組の視聴者からは「いじめた側の言い訳に過ぎない」「イジられて嫌な思いしたらそれはいじめ」と批判が相次いだ。
「イジり」が子供の「いじめ」を助長するとの指摘に...
番組では、埼玉県東松山市の河川敷で井上翼さん(16)の遺体が見つかり、知人の少年ら5人が殺人容疑で逮捕された事件を取り上げた。井上さんは少年たちに暴行された後、溺れさせられたとされる。
逮捕された少年のうち何人かは、1週間ほど前から井上さんへ繰り返し暴行を加えていたと報じられている。見つかった遺体には、腕に火のついたタバコを押し付けられたようなヤケドの跡もあったという。
こうした事件をめぐり、番組では事件と「いじめ」を関連付けた議論が展開されることになった。その中で、コメンテーターとして出演していたタレントの宮澤エマさんが「いじめ」と「イジり」の線引きについて、松本さんに意見を求める場面があった。
宮澤さんは、バラエティー番組などで行われる「イジり」が、子供の「いじめ」を助長するとの指摘が出ている件について、松本さんに「芸人として、(番組の中で他人をイジることについての)ポリシーはあるか」という質問をぶつけた。
この質問に対し、松本さんは、
「やっぱりそこは笑えるかどうか。でも笑いって、『好み』っていうところで結局片付けられてしまうことが多いから、すごく悲しいんですけど」
といった持論を展開。その上で、今回の事件については
「絶対に面白くないよね、これ。誰が見たって。そこなんですけどねえ」
と語気を強めていた。