自民党、今度こそ脱「オオカミ少年」?  「配偶者控除」見直しへの本気度

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「保育園不足や老親の介護などがはるかに大問題」との指摘

   ところが今年、2016年の参院選公約の後半、細かい政策を羅列した「政策バンク」の「II 女性活躍」の「女性の自立を支える法制度改革」の中で、次のように謳った。

「配偶者控除や第三号被保険者制度など、女性の活躍促進に大きく関連する税・社会保障制度は、女性の生き方・働き方に中立的なものとなるよう本格的に見直します」

   「廃止」の2文字こそないが、配偶者控除見直しを、正面から宣言している。ちなみに、「第三号被保険者制度」は、配偶者控除の「103万円の壁」と並び、主婦の年収が130万円を超えると年金保険料の支払いが求められ、家計の手取りを減らす「130万円の壁」のことで、両者をセットに議論するというのが公約なのだ。

   給与面でも、民間企業で「配偶者手当」を廃止する動きが出始めているのに続き、国家公務員について、人事院が8月8日、配偶者手当を2017年度から段階的に減額し、課長級は2020年度に廃止するよう勧告した。これらも、配偶者控除見直しの流れと軌を一にするものだ。

   とはいえ、配偶者控除に手をつければ、専業主婦のいる世帯などで増税になる可能性があり、反発を招きかねない。そもそも、自民党には「母親は家で子育てすべきだ」という保守的な家庭観は根強い。

   「働くか働かないか、どの程度働くかという女性の働き方の判断に影響を与えない中立的な制度にするには、配偶者控除廃止が筋」(政府税調関係者)という筋論は理解したうえでも、「女性の社会進出の上で、保育園不足や老親の介護などがはるかに大問題で、配偶者控除は本命ではない」(大手紙経済部デスク)と指摘もある。

   首相は閣僚に「働き方改革相」を置き、長時間労働の是正や女性の活躍に向け、今(16)年度中に働き方改革の「実行計画」をまとめる方針だが、これと並行して、配偶者控除の見直しにどこまで踏み込めるか、首相のリーダーシップを含め、注目される。

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