「要介護5」だった母に笑顔戻った 完治不能の認知症に意外な治療法

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社交ダンスが認知症リスク下げるとの論文多数

   美智子さんは学生時代、社交ダンスを楽しんでいた。雅美さんは以前、その話を聞いており、「もしかしたら」と近所のダンス教室に母を連れて行った。すると、流れてきたタンゴにまたも指を動かして反応。通い始めて2週間がたったとき、美智子さんは「髪を黒く染めたい」と口にした。つい最近まで1日中寝たきりで、何事にも無関心だったのが、自分の身なりを気にし始めたのだ。1か月後には、自ら選んだ鮮やかな赤のシャツに身を包んで、自力で立ち上がるまでになった。さらに先生にリードされながら、しっかりステップを踏んで踊り始めた。肌にはツヤが戻り、踊り終えても「もう一回やろうかしら」と満面に笑みを浮かべた。

   日本認知症学会理事で国立長寿医療研究センターの遠藤英俊氏は、「社交ダンスが認知機能や認知症に及ぼす影響は、かなりあると言われています」と説明した。「全身運動であり、知的活動でもある。両方のことを同時にやっている。これが認知機能の予防・回復に効果があるのだと思います」

ビートたけし「息子エラいねえ。昔やってた社交ダンスをやるだけで、あれだけ回復するんですか」
遠藤氏「社交ダンスが、世界中で、認知機能の維持向上、認知症のリスクを下げるという論文がたくさん出てきているんです」

   ただし、美智子さんのケースでは社交ダンスだけでなく、治療しながらダンスを続けたことが効果をあげたと遠藤氏は付け加えた。

   米国の調査によると、社交ダンスをやっている人は何もしていない人と比べて、認知症のリスクが76%も減少するという。ほかにも、将棋などのボードゲームが74%、楽器の演奏が69%、それぞれリスクを下げるそうだ。いずれも、他人とのコミュニケーションが必要な運動やゲーム。相手に気を遣ったり、相手の「手」を読んだりすることが大切なのだ。

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