高校ブラスバンドの楽器から442種類もの細菌が
ところで、管楽器は想像以上に不潔で、怖いことが米国の調査結果でもわかっている。2011年、オクラホマ州立大学医学部の研究者が高校ブラスバンド部で使用されている管楽器の衛生状態を調査した。フルート、クラリネット、トロンボーン、トランペットなど13の管楽器の117か所(マウスピース、楽器内部、収納ケースなど)からサンプルを採取、研究室に持ち帰って分析した。
すると、442種類もの細菌が見つかった。その中には、様々な感染症の原因となるブドウ球菌や、ぜんそくやアレルギーを引き起こすカビ類なども含まれていた。そして、採取した細菌のほとんどは、歯ブラシや入れ歯などに付着し、歯周病や虫歯のもとになる口内菌と同じ種類のものだった。
さらに悪いことに、これらの菌の多くが、抗生物質が効かない「耐性菌」だったという。調査を担当した研究者は「これらの耐性菌を完全に取り除くには、定期的に専門機器を使って殺菌する必要がある」と警告している。ともあれ、中高校の部活動でも使用後は丁寧に清掃・消毒することが大切なようだ。