管楽器には細菌がウヨウヨ 英国でバグパイプ奏者が肺炎で死亡

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   キルトをまとった男性が高らかに吹き鳴らす独特の音色――。スコットランドの伝統楽器「バグパイプ」の内部に繁殖した細菌を吸い込んで死亡した事例が、英医学誌「Thorax」の2016年8月号で報告された。

   英国でもバグパイプでの死者は初めてというが、論文を執筆した医師は「管楽器奏者は肺疾患にかかるリスクを十分に自覚し、楽器を定期的に清掃・消毒することが重要だ」と注意を呼びかけている。

  • ブラスバンドの楽器にも危険はいっぱい
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死んだ男性の楽器を分解すると細菌の巣窟だった

   バグパイプは、リード(薄片)式の民族楽器で、リードを取り付けられた数本の音管(パイプ)を留気袋につなぎ、溜めた空気を押し出すことでリードを振動させて音を出す。

   同誌によると、英国在住の61歳(当時)の男性が死亡したのは2014年10月。重症の過敏性肺炎が原因だった。検視の結果、肺には重度の損傷が見つかった。男性はバグパイプ奏者で、ほぼ毎日演奏しており、7年間にわたり乾生のせきと呼吸困難に悩まされていた。

   ところが、バグパイプを自宅に置き、オーストラリアに3か月間旅行に出かけた時だけ、肺の症状が緩和したという。そこで、男性の死亡後、主治医らがバグパイプを分解し内部を調べたところ、湿気がこもった留気袋や音管、マウスピースなどに多様な細菌が繁殖していることがわかった。男性はバグパイプをほとんど清掃・消毒していなかったらしい。主治医は「男性の過敏性肺炎の原因は、この細菌だった可能性が高い」と語っている。

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