「古い車を愛でる」文化、日本に広がる? マツダが「初代ロードスターのレストア」

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古いクルマを歴史遺産とみなす文化

   生産中止から30年、40年と経過したクラシックカーの場合、購入したディーラーであっても相手にされなくなるため、オーナーは部品取り用に同じクルマをもう1台所有するなどして部品確保に努めている。スカイライン2000GT‐Rやスバル360など、一定数のオーナーがいる人気車であれば、欠番部品をオーナーズクラブが特注して作り直すこともできるが、コスト高は免れない。クラシックカーのオーナーは自分で部品を探して必要な整備をこなすか、専門的な知識のある自動車整備工場に依頼するしかなかった。

   初代ロードスターに限らず、一般のオーナーが生産中止から20年以上経過したクルマを長く乗るには、やはりメーカーに部品供給を続けてもらい、ディーラーで整備や車検取得をしてもらうのが一番安心できる。メーカーにとっては、少数の部品の在庫を抱えるのはたいへんだろうが、マツダの場合、初代ロードスターの「生存率」が高いことが、レストアサービスに踏み切る理由となったとみられる。

   英国やドイツなど欧州では古いクルマを歴史遺産とみなし、動態保存するとともに、コンクールやモータースポーツを通じて楽しむ文化がある。今回、マツダが初代ロードスターの価値を認め、自ら動態保存に動き出したことで、日本でもこうした文化が根付く可能性が出てきた。他メーカーの追随を期待する声もある。

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