サイトリニューアル直後に不具合で大混乱
グルーポン・ジャパンは2013年8月、ソニーやアマゾン・ジャパンで事業戦略、組織マネジメントに携わった根本啓氏が代表取締役CEO(最高経営責任者)に就任。「スカスカおせち騒動」のイメージを払しょくしようと、2014年末にはおせち料理のクーポン商品を復活させるなど、精力的に動いた。
しかし、同社は2016年5月17日、根本CEOの退任を発表。代わって外部からブライアン・ネルソン氏が「カントリー・マネジャー」の肩書きで経営の指揮を執ると明らかにした。特に理由は説明されていない。
この新体制の船出を、いきなり荒波が襲った。7月23日、ウェブサイトのリニューアルを実施したところシステムに不具合が発生。サイトにアクセスできない、未使用クーポンが表示されないといった障害が出た。3日後にはほぼ復旧したが、その後も不安定な状態が続き、顧客対応用の電話もつながりにくくなった。ネット事業にとっては致命的なミスで、グルーポン・ジャパンのフェイスブックページには消費者からの怒りのコメントが書き込まれた。
米本社も状況は厳しい。2015年9月22日、全従業員の9%にあたる1100人の削減計画を発表した。この時点で事業を閉鎖していたギリシャやトルコに続いて台湾、タイ、フィリピン、モロッコなど7か国・地域からも撤退予定を明かした。同年11月には、創業メンバーだったCEOが解任された。
米本社は、2016年9月末までにリストラ手続き完了を目指すといい、2016年4~6月期の連結決算は、売上高が7億5600万ドル(約774億円)で、前年同期比2%増とアナリストの予想を上回った。だが純損益は5790万ドル(約59億円)の赤字で、決して楽観はできない。グルーポン・ジャパンも、米本社の経営立て直しの進み具合によっては影響を受けないとも限らない。