東京都の小池百合子知事(64)がリオから帰国したが、自民党都連の都議らが露骨に無視したりする様子がテレビなどで報じられ、ネット上でまた「イジメかよ」「見苦しい」などと炎上状態になっている。
小池百合子知事は2016年8月24日、にこやかに五輪旗を振って選手団と凱旋帰国した。その後、歓迎式典が羽田空港で行われたが、待っていたのは、なんとも素っ気ない対応だった。
都議会のドンは反小池の「決起集会」?
敵対関係にあるという自民党都連の前幹事長で、都議会のドンこと内田茂都議(77)の姿は、当然のようにない。さらに、自民党都連からは、内田氏の腹心とされる川井重勇都議会議長(68)らが式典に出席したが、小池知事への対応は素っ気なかった。
小池知事の初登庁時とは違って記念撮影には応じたが、終わると、小池知事の前を素通りして、山下泰裕副団長(59)に握手するため駆け寄ったのだ。小池知事とは目を合わさず、言葉を交わす様子もなかった。
小池知事は、翌25日に都庁であった東京パラリンピック関連イベントでも川井議長と一緒になった。小池知事があいさつを終え、川井議長らに頭を下げたが、川井議長は、ソッポを向いてしまい、ほかの出席者のように頭を下げることもなかった。
カメラが回っていないところでは2人で話す姿も見られたとも報じられたが、ピリピリムードであったことには変わりない。
実は、小池知事が帰国した24日は、内田氏の政治活動40周年を祝う政治資金パーティーが都内のホテルで行われていた。自民党幹部を始め1000人以上が出席したというが、そこに小池知事の姿はなかった。
パーティーでは、「地方議会の宝」だと自民幹部があいさつして内田氏をヨイショしており、ある夕刊紙は、「反小池の決起集会」と報じたほどだ。
9月の都議会は全面対決か
小池百合子知事が最初の試練を迎えるのは、9月28日に開会する都議会だ。戦いを前にして、小池知事も様々な準備を進めているらしい。
8月26日の定例会見では、自らが本部長を務める都政改革本部を9月1日付で立ち上げると発表した。そこでは、膨大に膨れ上がった五輪関連予算についても切り込み、9月中に中間報告する考えまで示した。会議はネット中継すると明かしたが、その狙いは、都民を味方につけることにあるようだ。
また、築地市場の移転問題についても質問が出ると、小池知事は、この問題も改革本部で扱うことを明らかにした。豊洲新市場は、11月7日に開場する予定になっているが、地下水のモニタリング調査結果が出る11日前であることを問題視し、あくまでも安全性を重視する考えも示した。延期するかどうかの判断については、情報を精査して早急に行うとだけ話した。
五輪予算や築地移転については、内田氏らの利権が絡んでいるのではないかと週刊誌などに疑惑が報じられている。小池知事が、これらの問題にも調査の手を伸ばすようなことになれば、小池知事と都議会自民党とは全面対決の状態になる可能性がある。