前原氏は蓮舫氏と戦う気があるのか 「非常におきれい」「我が党の宝」べた褒め

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   民進党の前原誠司元外相(54)が2016年8月26日に党本部で記者会見し、党代表選(9月2日告示、15日投開票)へ出馬する意向を正式表明した。

   代表選にはすでに蓮舫代表代行(48)が立候補を正式表明している。会見では蓮舫氏との違いをどう打ち出すかについて質問が飛んだが、明確な答えはなく「非常におきれい」などと「友好的」なコメントに終始した。

  • 記者会見に臨む前原誠司氏(2016年8月26日撮影)
    記者会見に臨む前原誠司氏(2016年8月26日撮影)
  • 記者会見に臨む前原誠司氏(2016年8月26日撮影)

民進党代表選の立候補は「悩みに悩みぬいた」

   前原氏は冒頭で「この度、民進党の代表選挙に出馬する決意をさせていただいた」と挨拶。出馬については「悩みに悩みぬいた」と明かし、理由の1つとして「時流」が女性にあることを挙げた。

   テリーザ・メイ英首相やビルジニア・ラッジローマ市長、小池百合子都知事など、最近誕生した女性トップを例に出しながら「私が手をあげることによってそういったものに水を差すのではないかという思いもあった」と語った。

   しかし、前原氏は

「旧民主党政権は国民の落胆と失望を買った。私もその戦犯の一人。深い反省と後悔に立ち、そのことを身に染みて分かっている人間がもう一度中心となって政権を目指すべきではないかと考えた」

と立候補に至った理由を述べた。

   政策としては「All for All」を合言葉に「尊厳ある生活保障改革」を掲げた。具体的には就学前教育・保育の無償化(必要財源約1.2兆円)と国公立高等教育の実質無償化(同約1.6兆円)を例に出し、財源として消費税率を10%に引き上げる際の増税分1%を充てることを提案した。

   「新たな方針を指し示す。そのために23年間の国会議員(人生)の全てを投げ打ってこの代表選挙に臨む決意だ」――こう力強く語った前原氏だが、代表戦で対立候補である蓮舫氏に対しては、なぜか「友好的」な言葉を重ねるばかりだった。

自身が代表になったら「蓮舫さんも大事なプレーヤーに」

   記者から蓮舫氏との違いをどう打ち出すか聞かれると、開口一番に

「蓮舫さんは非常におきれいで、発信力もあって、国民の人気が高い。非常に我が党の中の宝の1人であると思っています。蓮舫さんには代表選挙だけではなく、これからも頑張っていただきたいし、連携をしていきたい」

と賛辞を送った。

   その上で「違い」については、「私は23年間、失敗の経験も含めて多くの経験を積んできた。その経験をもとに党をまとめ、もう一度政権に登りつめるための旗を振らしてほしいということ」と述べて終了。「経験値」以外の違いを打ち出すことはなく、「もしそうなった時には蓮舫さんも大事なプレーヤーの1人として一緒に手を携えて頑張っていきたい」と、友好的に結んだ。

   前原氏は選挙の争点について「民進党の目指す社会像を作っていくための、具体的な政策を前向きに戦わせること」と述べた。一方で記者からの質問は、次期衆院選での野党共闘や憲法改正問題に集中した。

   前原氏は野党共闘について「次は政権選択を託す衆議院選挙だ。外交や安全保障、内政で考え方が違うところと組むのは野合だ」と述べ、基本政策の異なる党との連携には否定的な考えを示した。初めから政党の数合わせを考えると大局を見失う。「民進党が基本政策をしっかりと打ち出し、協力のできるところ(政党)と協力するのが大事だ」とも述べた。

   憲法改正については「社会不安や閉塞感をどう取り除くかが最大の政治的使命。憲法改正は最優先課題とは思っていない」とした。戦力不保持を規定した9条については「9条そのものが立憲主義の観点に立てば、最も不安定な条文」と指摘。自身の考えについては「子供たちが憲法9条を読んで字のごとくとすべきだという考え方に変わりはない」としたが、改正についてはさまざまな意見を尊重しながら慎重に議論を進めていくとした。

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