真夏の東京五輪は熱中症が怖い 酷暑の都心走るマラソンどうする

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【羽鳥慎一モーニングショー】(テレビ朝日系)2016年8月23日放送
「リオの教訓 東京五輪どうなる」

   2016年8月、リオデジャネイロ五輪が閉幕し、バトンは次の開催都市・東京へと渡った。2020年7月24日~8月9日の期間が予定されており、真夏の祭典となる。

   問題はこの時期、東京が酷暑に見舞われる点だ。屋外競技の選手は、強烈な日差しやまとわりつく湿気と闘わねばならない。スタジオでは、アスリートと観客を暑さから守る妙案が話し合われた。

  • 真夏の都心を駆け抜けることになる(写真は東京マラソン)
    真夏の都心を駆け抜けることになる(写真は東京マラソン)
  • 真夏の都心を駆け抜けることになる(写真は東京マラソン)

アテネ五輪ではメダリスト全員がおう吐

   羽鳥慎一アナが最初に紹介したのは、五輪開催都市の8月の平均気温だ。2008年の北京は29.7度、12年のロンドンは21.9度、16年のリオが25.6度だった。これに対して東京は、31.2度と一番高い。五輪史上最も過酷な大会になるというのも大げさではなさそうだ。

   日本スポーツ法学会理事の鈴木知幸氏は、暑さが影響する種目としてマラソンと競歩を挙げる。

鈴木「特に50キロ競歩。あとはトライアスロンとか自転車のロードレースも影響を受けると思います」

   1984年のロサンゼルス五輪の女子マラソンでは、スイスのアンデルセン選手がふらつきながら必死にゴールを目指すシーンがあった。当日は30度を超えており、熱中症になったようだ。アンデルセン選手は後に「人生最悪のレースだった」と振り返っていた。野口みずき選手が金メダルを手にしたアテネ五輪は、さらに過酷だった。気温35度。メダリスト全員がゴールした後におう吐したほどだった。

   東京五輪では、女子マラソンが8月2日、男子マラソンが8月9日に予定されている。いずれも、都内が最も暑い時期と重なる。しかもコースは、新国立競技場から皇居の横を抜け、東京タワーや浅草を巡って戻ってくるルートで、まさにコンクリートだらけ。日光の照り返しも厳しそうだ。

   女子マラソン元日本代表の千葉真子さんは、ランナーの暑さ対策として2点提案した。ひとつはミスト(霧)シャワーの設置、もうひとつは冷たい給水だ。鈴木氏は給水地点について、現状では5キロごとに設置されているのを2~3キロごとに増やす案を出した。また、マラソンコースを周回にすることも考えるべきだという。リオ五輪では同じコースを3周していた。

羽鳥アナ「そうすると1か所のミストでも3回いける」

ミストシャワーと移動式樹木が救世主

   コメンテーターのジャーナリスト、青木理氏がこんな質問をした。

青木「予定コースは今からでも変えられるんですか」
鈴木「理由をIOC(国際オリンピック委員会)が理解すれば(大丈夫)」

   選手にとってはミストを浴びられる回数が増えるうえ、運営側としてもミストの設置数が減るのでコストダウンにつながり、一石二鳥だ。

   マラソンの場合、観客はスタジアムだけでなく、コースの沿道からも声援を送るので、そのための暑さ対策も考えなければならない。鈴木氏が「現在検討されている」と明かしたのが、「移動式樹木」だ。コメンテーターの菅野朋子弁護士は、この案に賛同した。

菅野「樹木は選手にとってもいいのでは。緑があるだけで違いますよね」

   東京都の実験では、移動式樹木の設置場所の周りが10度ほど下がったという。

   あと4年の間に、有効な対策が打たれることを期待したい。

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