高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ 
日本破綻論を簡単に論破 この知識だけあればよい

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重要なのは、資産と負債の大小関係

   彼らは、筆者の前回の本コラム「『国の借金』巡るホラー話 財務分析すれば怖くない」(8月12日配信)は絶対読みたくないだろう。このコラムは、御用学者や「エアご用人」を撤退させるにはもってこいだ。なお、そのコラム中、徴税権の資産価値を数百兆円と書いたが、さらに具体的にいえば、毎年30兆円で割引率5%なら600兆円程度である。連結ベースでかなりの資産超過なので、日本政府の破綻は今のところ考えられない。

   この破綻論は、ビジネスクールでやる標準的なもので、公会計のBS(貸借対照表)論に基づくものであるので、国でも企業でも適用できる。これさえ押さえておけば、日本破綻論は簡単に論破できる。

   一方、日本の国債は国内消化されているから大丈夫との楽観論も間違いであることがわかる。どんな国でも組織でも、重要なのは、資産と負債(国の連結の場合には、負債にある中央銀行券は実質負債でないので除く)の大小関係であって、負債を誰が保有しているか、ではない。過去のデータからも明らかだ。

   ちなみに、公会計のBS論は、自営業者や企業オーナーに話すと彼らは簡単に理解する。官僚、先生、サラリーマンは分からない人が多い。BSを作ったり見たりしことがない人が多いからだろう。


++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣参事官、現「政策工房」会長
1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわ ゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。著書に 「さらば財務省!」(講談社)、「図解ピケティ入門」(あさ出版)、「日本はこの先どうなるのか」(幻冬舎)など。


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