血管のコブの発生を抑え、壁を丈夫にしてくれる
また、大動脈の血管の壁を調べると、緑茶ポリフェノールを飲んだラットは、血管壁を構成するタンパク質の合成が促進され、壁が分厚くなった。つまり、血管が丈夫になり、破裂しづらくなったのだ。さらに、動脈瘤の増大に悪影響を与える細胞の炎症反応が抑えられていた。
緑茶ポリフェノールには、これまでも体内の炎症や酸化を抑える作用があり、がんや心臓病、認知症の予防に効果が期待されている。研究チームでは、「日常的に愛飲されている緑茶の持つ健康長寿への貢献が、また示されました。大動脈瘤は症状がなく治療が難しいうえ、いったん破裂すると致命的になります。実験で使用した緑茶ポリフェノールの濃度では、肝障害などの副作用は起きませんでした。まだ、人への効果は証明されていませんが、緑茶の摂取を心がければ、予防効果は期待できる可能性があります」とコメントしている。