リオデジャネイロ五輪の閉会式で話題を集めた映像「安倍マリオ」。安倍晋三首相が人気キャラクター「マリオ」に変身し、渋谷駅前のスクランブル交差点に立てられたCGの土管からリオの五輪会場に現れた本物の土管へ「ワープ」する、というシナリオだ。
シナリオ上、重要な役割を果たすその土管だが、現実世界にもあるのか、と話題になっている。それも渋谷でなく、池袋に。緑色で大きく、しかも立地は駅前だ。実際に土管なのか不明だが、ネット上では「リオ行きの土管」「安倍マリオ出てこい」と盛り上がっている。
「ポケモンGO」でも「スーパーマリオの土管」
昼下がりの池袋駅東口、たくさんの人が行き交う横断歩道にその「土管」はあった。そびえたつ場所は横断歩道の中間地点にある緑地帯。植木に囲まれ、歩行者は近寄れない。一見したところ、土管なのか、土管を模したオブジェなのかわからないが、仮に土管だとすればここに置く必要はなさそうだ。
「土管」が注目を浴びたきっかけは2016年8月21日(日本時間22日)のリオ五輪閉会式で流れた「安倍マリオ」。マリオに姿を変えた安倍首相が渋谷の土管からリオの土管まで、一気に「ワープ」。最後は、五輪会場に突如現れた土管のオブジェから「キュッキュッキュ」というサウンド・エフェクトとともに飛びだす。
渋谷じゃなくて池袋なんじゃないの?――多くの人々がそう感じていたのか、閉会式後から池袋の「土管」に対する言及は増えた。確かに「安倍マリオ」の土管とは、緑色で駅前にある、という2点で共通している。ツイッターには
「安倍総理はここからリオに行ったらしい」
「リオ行きの土管」
「安倍マリオ出てこいやーい!」
といった声が続々寄せられていた。ちなみにこの「土管」、人気スマートフォンゲーム「ポケモンGO」でも「スーパーマリオの土管」として、ゲーム中の重要地点であるポケストップに登録されていた。
「地下街の通気口」説も
正体は本当に「スーパーマリオの土管」なのか。ネット上でも、詳細な情報はほとんど見当たらない。「地下街の通気口」という説も見られるが、真偽は不明だ。
16年8月23日、J-CASTニュースが豊島区の文化・デザイン課の担当者に取材したところ、
「あそこは都道305号線の上にあたるので、東京都さんの管轄になるんです」
との回答だった。区を通じて都にも問い合わせている。
(2016年8月24日追記 豊島区は取材に対し、「東京都によると、あれはオブジェでなく、東京メトロの地下線路から伸びる排気口とのことです」と回答した。)