ダウン症児が「パーフェクトヒューマン」踊る 24時間テレビ予告映像が物議

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   2016年8月27日、28日に放送を控えた「24時間テレビ」(日本テレビ系)の企画が大きな物議を起こしている。きっかけは、お笑いコンビ「オリエンタルラジオ」が「RADIO FISH」名義で発表した曲「PERFECT HUMAN」(パーフェクトヒューマン)を、ダウン症の子どもが踊る、といった番組の企画が予告されたこと。

   ダンスに使う「パーフェクトヒューマン」という曲名や歌詞の内容から、「24時間テレビのコンセプト全否定」「今世紀最大の皮肉」という批判も起き、まとめサイトでは日テレが炎上状態になっているところもある。

  • これは「皮肉」なのか(画像は番組ホームページより)
    これは「皮肉」なのか(画像は番組ホームページより)
  • これは「皮肉」なのか(画像は番組ホームページより)

「24時間テレビのコンセプト全否定してると思う」

   予告番組は、16年8月21日に日テレで放送された。「24時間テレビ」の中で、ダウン症の7歳の女児とオリエンタルラジオが日本武道館でパーフェクトヒューマンを踊る、といったコーナーがある。そのコーナーの紹介として、女児がパーフェクトヒューマンを踊る様子や、オリエンタルラジオの藤森慎吾さんと中田敦彦さんの2人が女児と触れ合う姿がVTRで流された。

   女児は実名で登場し、楽しそうにパーフェクトヒューマンを踊っていた。その母親も「辛いことがあっても頑張ればいいって思える基礎ができてくれたら」と涙ながらに語った。

   しかし、放送中から、この番組のキャプチャー画像がネットで拡散。ツイッターには、「パーフェクトヒューマン」という曲名とダウン症児の組み合わせを意識して、

「今世紀最大の皮肉」
「悪意ありすぎ」
「捉え方間違えればただの嫌み」

と批判が殺到した。「世界は必ずしもみんな平等とは限らない」「世の中には絶対勝者と敗者が存在する」といったフレーズを含む歌詞も含め、「24時間テレビのコンセプト全否定してると思う」という指摘もあった。初回から受け継がれている24時間テレビのキャッチコピーは「愛は地球を救う」だ。

「本人たちが楽しんでるなら何の問題もない」

   しかし、一方では、

「障害者はパーフェクトヒューマンじゃないて言っちゃうほうが差別意識バリバリ」(原文のママ)
「本人たちがそれを楽しんで踊るなら別に何の問題もない」

といった番組攻撃に対する批判も出るなど、まとめサイトは大論争の場と化している。

   23日放送の情報番組「ZIP!」(日テレ系)に出演したオリエンタルラジオの2人は、全国各地のファンを中継でつないでみんな一緒にパーフェクトヒューマンを踊る、と企画趣旨を説明したものの、ダウン症の女児については一切触れなかった。

   今回で39回目となる日テレの24時間テレビをめぐっては、「障害者と感動を売り物にしている」などの批判がネットで流され続けてきた。今年は、NHKが「24時間テレビ」の裏番組であるEテレ「バリバラ」で「障害者を描くのに感動は必須か?」といったテーマの特集を放送することもあり、同じ時間帯での「対決」も含めて大きな話題になっている。今回のオリラジとダウン症児の共演は、そうした話題にさらに火をつけたかっこうだ。

   ダウン症は特定の染色体の数が多いことによって生じる病気で、知的障害もあるが、普通に日常生活を送っている人も多い。今回の騒動について、ダウン症患者とその家族、支援者らで作る「公益財団法人 日本ダウン症協会」の担当者は22日のJ-CASTニュースの取材に対し、

「実際の番組を見たわけではないので、コメントのしようがありません」

と答えている。

   日テレには、J-CASTニュースが22日夕方から23日にかけて、この企画の意図や趣旨を取材しようと、10回以上問い合わせているが、23日16時現在まで、

「広報担当者がすべて出払っている」

との回答しか返ってこなかった。

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