米ニューヨーク・タイムズが2016年8月20日付け1面などで、アイドルグループ「SMAP」の解散を大きく報じた、としてネットで注目が集まっている。
それだけ「SMAP」の存在は世界的レベルである証しだと言えそうだが、同紙は「SMAP」の解散は日本にとってイギリスのロックバンド「ビートルズ」の解散を上回る衝撃だなどと表現したため、「ビートルズに失礼だ」などといった意見が出る事になった。
「SMAP」の解散は日本が終わることを意味しています
ニューヨーク・タイムズの1面は文字のみでの説明になっていて、19日付けで配信された電子版では写真入りで大きな特集が組まれている。記事ではいかに「SMAP」が日本で偉大な存在であるかが書かれている。
記事には、30年間に渡り数百万人の人たちが彼らのアルバムを争って買い求め、毎週月曜日の番組「SMAP×SMAP」のために人が集う。コンサートともなれば息もつけないほどの期待であふれる。中国、台湾、韓国を始めとしてアジアには大勢のファンを持っている、などと書かれている。
さらに、シングル「世界に一つだけの花」は教科書にも使われており、11年に温家宝前中国国家主席が来日した際にパフォーマンスでもてなし、北京で異例とも言えるコンサートも開催した。16年1月に解散騒動があった時には国会の委員会で安倍晋三首相が言及したほどで、今回解散が決まり、世耕弘成経産大臣はクールジャパンに支障が出るのではないかと懸念を表明した、としている。
また、現在も解散を阻止しようと努力しているファンもいて、
「彼らが解散するとすれば、それは日本が終わることを意味しています」
と主張を紹介している。そして同紙はこうした日本の狂騒を理解するために、例えるならば、とし、
「ビートルズの解散と、Seinfeldの最終回と、グウィネス・パルトロウとクリス・マーティンの関係の破たんが同時に起こったようなものだ」
と説明した。「Seinfeld」というのは1989年から98年にかけてアメリカで放送された国民的コメディドラマ。グウィネスは女優で、クリスはミュージシャン。2人は15年に離婚した。
「そんな大層なもんじゃない」
日本国内ではまず、ニューヨーク・タイムズの1面を「SMAP」が飾ったということで驚きが広がったものの、同紙が挙げた3つの衝撃例で最も馴染みがあるのが「ビートルズ」の解散だったため、「SMAP解散はビートルズの解散のようなもの」というワードが、特に注目を集めた。
ネット上では「SMAP」が米国でこれだけ高く評価されるのは嬉しいが、それほどまで価値があるのか、といった疑問が出て、「そんな大層なもんじゃない」「ビートルズに失礼だ」などといったビートルズファンと思われる人からの意見があふれることになった。
さらに、ネット上の掲示板には、
「まあ『キングオブロック』のアメリカの立場から見れば、ビートルズもイギリスの軟派なロックアイドルだしな。SMAPと似たような扱いかもしれん」
「ビートルズですらケンカ別れしたんだから、アイドルのおっさん達がケンカ別れしてもやむなし、という話ならわかる」
「そもそも生まれたころにはビートルズっていうグループはもう存在していなかったので、よくわかりません」
など、SMAPとビートルズを比較するコメントも相次いでいる。