「アバター」訓練で完全麻痺が改善 脊髄損傷の女性が歩き、子を生んだ!

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「子どもを生みたい」「陣痛を感じることができた」

   こうしたトレーニングを13か月間続けた結果、32歳の女性に劇的な改善がみられた。彼女は下半身が麻痺して10年以上経過しており、支持具の力を借りても立ちあがることができなかった。しかし、訓練のおかげで下半身の皮膚や体内の感覚が戻ってきた。支持具と理学療法士の助けを借りて立ち上がり、ハーネスで体を吊り下げて歩くことができるようになった。そして、「子どもを生む」と決めて性行為を行ない、「陣痛を感じることができた」という。

   計8人の被験者のうち、彼女以外の7人全員の麻痺が改善し、うち3人が「部分麻痺」の状態にまで向上したという。

   AFP通信の取材に対し、チームリーダーの同大の神経学者ミゲル・ニコレリス博士はこう語っている。

「プロジェクトを始めた時は、このような驚くべき結果は予想していませんでした。完全麻痺と診断された患者でも、ある程度、脊髄神経が無傷のまま残っていると考えられます。こうした神経は大脳から筋肉への信号が送られてこないため眠っていました。アバターを動かすトレーニングによって信号が復活し、神経を再び点火させることができたのでしょう」

   ニコレリス博士は「残っている神経繊維が少なくても、脳の運動野から脊髄に信号を送るには十分である可能性が高い」と指摘している。イメージトレーニングをあきらめずに続けることが大切なのかもしれない。

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