広がりみせる「パートナーシップ証明」
国内では、2015年4月に東京都渋谷区が「渋谷区男女平等および多様性を尊重する社会を推進する条例」を施行。それに基づき、同11月には「パートナーシップ証明」の交付を開始。その後も東京都世田谷区や兵庫県宝塚市、三重県伊賀市で始まり、2016年7月には沖縄県那覇市でも交付を開始、広がりをみせている。
渋谷区によると、16年8月10日時点で交付を受けたLGBTのカップルは12組いるという。
一方、電通のダイバーシティ課題対応の専門組織、電通ダイバーシティ・ラボが20~59歳の全国6万9989人を対象に実施した「LGBT調査2015」(2015年4月7~8日調査)によると、調査対象者のうち、LGBT層にあたる人は7.6%だった。
さらに、LGBT向け商品・サービスの市場規模は5.94兆円と算出。家電やAV機器、家具・インテリア、化粧品やカルチャー活動などで一般のユーザー層より消費が活発としている。アクセサリーや情報通信、レジャーの市場も顕著だ。
保険業界以外でも、NTTドコモやソフトバンク、KDDI(au)は、自治体によるパートナーシップ証明書があれば、家族向けの割引サービスの適用を認めている。また、全日空(ANA)と日本航空(JAL)も、家族で共有できるマイレージプログラムを自治体のパートナー証明書や同居を証明する住民票などの提出を条件に、同性婚のパートナーも利用できるようにしている。
LGBTの認知度アップや権利保護への支援などの社会変化と、パートナーシップ証明書を交付する自治体の広がり、またLGBT世帯の平均年収が一般世帯の平均を大きく上回っているとの情報もあり、LGBT向け市場に注目する企業は増えているようだ。