生保では先例
LGBT向けの保険商品は、すでに生命保険会社で取り扱っているが、東京海上日動は「損害保険の場合、約款の変更が伴うので金融庁の認可が必要になります」と説明。LGBT向けの保険商品として、「認可を受けたのは初めてではないか」(広報部)という。
LGBT向け保険商品で先陣を切ったのは、2015年11月の東京都渋谷区の「パートナーシップ証明書」の交付開始とともに対応したライフネット生命保険だ。それまで保険金の受取人には戸籍上の配偶者か2親等内の親族が原則。同姓婚のパートナーが保険金を受け取ることはできなかった。
同社の場合、それまでも事実婚も一定の条件で異性であれば認めてきたが、それをパートナーシップ証明書と同居を証明する住民票などを提出すれば、同性婚のパートナーでも保険金の受取人として認めることにした。
ライフネット生命は、「世の中が変わっていくときに、保険もその変化に対応していく必要があると考えました」と、対応のきっかけを話す。インターネット専業の生命保険会社であることから、パートナーシップ証明書を交付していない自治体からも加入できるようしたことで問い合わせ件数も多く、申し込み状況について「沖縄県など全国各地から、すでに数十件の申し込みをいただいています」という。
こうした動きは、すでに日本生命保険や第一生命保険、住友生命保険、アクサ生命保険など生保大手にも拡大。そのうちの1社、第一生命では「16年6月までに約50件の問い合わせがあり、実際にLGBTの方が受取人になったケースは数件ありました」と話す。