システムを再構築するための費用が回収できない
憶測はまず、グーグルにSEO(検索エンジン最適化)目的の有料不正サイトと認知されたのではないか、というものだ。運営会社が広告代理店ということで、同社の「e-まちタウン」紹介ページには企業向けに、
「e-まちタウンの最大322の地域にお客様のホームページが紹介されるため、Yahoo!やGoogleなどの検索エンジンでの上位表示や、サイトのアクセスアップの期待ができます」
などと紹介している。こうしたことがグーグルの目に触れ、グーグルの検索結果から削除されたり、検索順位が大きく下げられたりしたからではないのか、というものだった。また、15年7月23日には不正アクセスが発生しID、パスワード、メールアドレス、クレジットカード情報が流出した可能性があるという発表があった。ユーザーにはクオカードを配るなどして謝罪したが、このダメージが原因ではないか、という憶測も流れた。
J-CASTニュースが16年8月10日に同社に取材したところ、閉鎖に至った本当の原因は不正アクセスだった、と打ち明けた。二度とこのような事が起こらないようにセキュリティー強化などシステムの再構築を計画したのだが、長く事業をしてきたためシステム本体が老朽化していて、膨大な費用が掛かり、その費用を回収することが難しいと判断したのだという。グーグルに関しては、「全くそのような事実はありません」と全否定した。グーグルのアルゴリズムは日々変わり、時には「タウン」のどれかのアクセスが遮断する事はあったが、不正ではないためすぐに回復したし、グーグルから注意を受けたことは一度もない、とした。しかし、地域SNSの先駆け的存在で、多くの人から愛されたサイトを閉鎖するのはもったいないのではないか、とJ-CASTニュースが話を振ると、同社は、
「閉鎖の際には50万通のお詫びのメールを出しました。長い間運営をして来て様々なノウハウを蓄積しておりますので、いつかは分かりませんが時が来れば再開したい、そういう気持ちはあります」
と同社の担当者は話していた。(随時掲載)