「正直さびしい。何でもかんでもやめていいんか?」
そうしたなか、船井電機には「VHS存続」や「復活」を願う人からの声が寄せられている。VHSビデオは生産終了が伝えられた2016年7月中旬以降、「お電話やメールなどで直接、個人から寄せられたもので、30件ほどありました」と話す。インターネットなどに、生産の継続や「復活」を望む声が多く寄せられていることも知っているという。
インターネットには、
「家庭用ビデオとして一時代を築いたVHS。ホントにいいの、消えちゃダメでしょ?」
「3倍録画でしたつもりが標準で撮っちゃって時間が足りなかった!なつかしい」
「正直さびしい。何でもかんでもやめていいんか?」
「残ってほしいけど、やっぱり採算とれないんでしょうね」
「おれんちいまだに現役で使ってる。でも、壊れたらおしまいってことだよね」
などと、VHSビデオをなつかしむ声や、生産終了を惜しむ声が寄せられている。
船井電機は、「(7月末まで生産していたため)まだ数年は修理できますし、その部品は確保しています」と話すが、「復活」については、「部品がないことには...」と言葉を濁す。
いま、入手できるVHSビデオも、家電量販店などの一部に残る在庫分だけだ。
一方、VHSビデオの生産が2016年7月末で終了したことに伴い、今後、交換部品の不足によってビデオデッキが故障しても修理できなくなることが見込まれる。そのため、ビデオテープに録画した映像を、DVDやブルーレイディスクにダビングするサービスが活況だ。
サービスを手がける「カメラのキタムラ」によると、生産終了がわかった7月中旬から約1か月の受注件数が、2015年の同じ時期の1.5倍増にものぼった。ダビングに関する問い合わせも2割アップしたという。
ただ、7月1日~8月31日までは、ダビングしてもらいたいVHSビデオテープなどを10本まとめると3割引というキャンペーンを展開中。また、夏休みの時機は、帰省などで家族で思い出のビデオを見る機会が増えるので、「ダビングの利用も増えるタイミングではあります。そのため、ダビング件数のどの程度がVHSの終了に伴うものなのかはわかりません」と話す。