お笑いコンビのオリエンタルラジオが「変態」写真集を出すとうたって、ネット上で物議を醸している。実際は「萌え」を狙ったようなのだが...。
「『もし、オリラジのふたりが一緒に暮らしていたら』 究極の変態写真集です!」
アマゾンの本の売れ筋ランキングで3位に
きっかけは、オリラジ初の写真集「DOUSEI-ドウセイ-」を手がけた写真家の青山裕企(ゆうき)さん(38)が2016年8月16日にこうツイートしたことだ。
青山さんは、スカートのめくり方などを題材にしたフェチズムの写真家として知られる。ツイートの投稿画像を見ると、今回の写真集には、「腐女子」向けのボーイズラブを狙ったようなものがあった。
オリラジの中田敦彦さん(33)がフォークを持って相方の藤森慎吾さん(33)に食べさせてあげているところや、2人が同じベッドで向き合って寝ていたり、藤森さんが中田さんのネクタイを結んであげたりするシーンがそれだ。この写真集は、KADOKAWAから9月2日に発売される予定になっている。
8月16日のネットニュースでも、オリラジの中田さんが青山さんの作品の「変態性」に惹かれ、自分たちの「究極の変態写真集」を作ってほしいと青山さんに依頼したと報じている。ニュースは、青山さんらのツイートでも紹介されていた。
ツイッター上では、ファンらから2人の写真集に期待の声が次々に上がり、予約も相次いだのか、この日のうちにアマゾンの本の売れ筋ランキングで3位に入っていた。
「傷ついたかたがいることは、申し訳なく思っております」
しかし、青山さんが「変態写真集」と表現したことに、ツイッターなどで次々に批判も寄せられた。
「同性同士の同棲を変態と呼ばないで欲しい」
「どう考えても差別的で非常識」
「同性愛者に失礼だろ」
こうした批判に対し、青山裕企さんは8月16日のツイッターで、誤解がないようにとして、「究極の変態=同性同士の同棲という意味ではなく、端的に言えば、青山=変態的な視点という意味なので、よろしくお願いいたします」と釈明した。また、KADOKAWA文芸編集部のツイッターでもこの日、担当編集者が「『同性どうし』"だから"『変態』という意識はみじんも有りません。『変態』ということばは、『青山さんの写真表現』に依るものです」と補足説明した。
つまり、同性愛者を変態だと言っているわけではなく、青山さんの視点が変態的ということらしい。ただ、担当編集者は、「差別を発想してしまったかたがいること、それにより傷ついたかたがいることは、申し訳なく思っております」とツイートで謝罪した。
ツイッターやニュースのコメント欄では、2人の写真集は、ボーイズラブ風であることから、「変態」というよりむしろ「萌え」ではないかとの指摘が支持を集めている。それを「変態」と表現したから誤解を招いたとして、青山さんらの釈明について「これは苦しい言い訳ですね」といった声が出ていた。
さらに、今回の騒ぎは話題作りではないのかとのうがった見方もあり、オリラジに対して、「最近どこを目指しているのか」「お笑い辞めたいの?」「こんな写真集を出す意味がわかんない」と冷ややかな声も漏れている。