「雷鳥」の漢字を直訳したときから、懸念は出ていたが...
もっとも、JR西日本も、必ずしも「ライチョウ=サンダーバード」と意図して命名したわけではないようだ。
1995年春にJR西日本が展開していたCMは、NHKなどで放送された英国の民間テレビ作成の「サンダーバード」のキャラクターを登場させ、
「4、2、0...!4月20日、サンダーバード発進!サンダーバードで、北陸がぐーんと近くに!」
とアピールしており、CMに「ライチョウ」や「雷鳥」の文字が登場することはなかった。
JR西から特急「サンダーバード」の名称が発表されたのは1994年12月。95年4月のダイヤ改定で大阪と北陸を結ぶ特急「スーパー雷鳥」に新型車両「681系」が登場するのに合わせて、「サンダーバード」という愛称がつけられた。95年1月には、井手正敬社長(当時)の意向で「サンダーバード」は愛称から正式名称に格上げになり、実際のダイヤ改定時には「スーパー雷鳥(サンダーバード)」としてデビューを果たしている。
英語の「thunderbird」は米国の先住民族の伝説に登場する想像上の鳥。681系は時速160キロ走行が可能で、「サンダーバード」の力強くスピーディーなイメージがぴったりだとして命名されたという。当時、JR西日本は「雷鳥」の漢字を「直訳」すると「サンダーバード」になる、とも説明していたようだ。
ただ、95年12月24日の朝日新聞は、
「愛称は『雷』『鳥』をそのまま英訳した形でもあるが、ライチョウの英名は『ターミガン(ptarmigan)』。誤った英語が広まるのを懸念する声もある」
と報じていた。この懸念が20年以上経って現実となっていたことを、今回のツイッターの反応は証明したともいえる。