「食べてもやせる」「動けないほど疲労」 その症状、甲状腺の異常かも

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【チョイス@病気になったとき】(Eテレ)2016年8月6日放送
「知っておきたい 甲状腺の病気」

   喉にある臓器「甲状腺」。普段あまり意識しない人が多いだろうが、日本では約500万人が甲状腺に何らかの問題を抱えているといわれている。

   甲状腺の病気になると、体に様々な不調があらわれる。早めに症状に気付いて医療機関を受診するのが完治のカギとなる。

  • 尋常じゃない倦怠感があったら要注意
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ほふく前進しかできなくなった

   都内に住む伊藤貴美子さん(67)は、2015年の夏に体に異変を感じた。

   ダイエットしているわけではなく、たくさん食べているのにどんどんやせ、体重が56キロから47キロに。脈拍が増え、手に力が入らずタオルも絞れなくなった。

   40代の主婦・田中さん(仮名)は2年前、シャワーを浴びた後に30分ほど動けなくなり、汗が大量に出てずっと止まらなかった。

   その後も少し動けばすぐ動悸と息切れを覚え、やがて全身の筋肉痛で立って歩けなくなった。トイレに行くにもひじだけで「ほふく前進」しかできず、ひどい時は1週間寝たきりだった。

   会社員の中島弘さん(37)が不調を感じたのは2015年。ペンを持つ手が震え、文字が思い通りに書けなくなった。足に力が入らず、立っていられない時もあった。

   三者三様の症状だが、これらは全て「バセドウ病」が原因だった。

   甲状腺で作られる甲状腺ホルモンは、血液で運ばれて全身の臓器に作用し、新陳代謝を活発化させ活動に必要なエネルギーを作り出している。

   通常、甲状腺は脳からの指令を受け、必要な分だけホルモンを作り血液中に分泌するが、免疫細胞が何らかの原因で暴走して甲状腺を刺激すると、指令を待たずにホルモンを多く作って分泌してしまう。エネルギーが過剰に作られ代謝のコントロールができなくなる病気が「バセドウ病」だ。

   4:1の割合で男性より女性患者が多く、20~40歳代で発症する人が多い。主な症状は甲状腺の腫れ、体温上昇、多汗、やせる、動悸・頻脈、疲れやすい、下痢、震え、かゆみ、イライラ、コレステロール低下、月経不順などがある。

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