ロンドン五輪日本代表の6割以上が「競技に影響」
生理は、子宮内膜の出血、下腹部痛、腰痛、吐き気、貧血といった不快な症状を引き起こす。多くの女性アスリートを悩ませているため、国立スポーツ科学センターは2016年5月、『月経対策ハンドブック』を制作、ウェブサイト上で公表した。それによると、2012年ロンドン五輪出場アスリート132人のうち、36.7%の29人が「月経による体調不良」で、また27.8%の22人が「月経痛」で、「競技に影響が及んだ」と答えている。合わせて6割以上が「影響が出た」と答えた。
ハンドブックでは生理への対策として、生理痛が起きた時の鎮痛剤や、生理をずらすための低用量ピルの使用について詳しく解説。ドーピング禁止物質を含まないというが、使用に際して必ず確認するよう注意書きも付けている。
一方、生理がこない「無月経」になるアスリートも多い。無月経により、骨の形成にもかかわっている女性ホルモンが不足すると、疲労骨折しやすくなる。ハンドブックではアスリートが無月経になる理由を「運動による消費エネルギーに見合った摂取エネルギーが摂れていない」からだとして、食事の改善が治療の大原則だとしている。