「日本の改憲論議に影響を与える可能性」
新聞各紙は発言の事実を淡々と伝えるところが多いが、8月17日の朝日新聞「天声人語」は
「米政府の要人としては異例で、無神経というほかない。それにしても『アメリカから押しつけられた憲法だから改憲すべきだ』と主張する人たちが歓迎しそうな話だ」
と発言に不快感を示した上で、戦後70年、憲法が改正されなかったことを引き合いに
「戦後の歴史を無視するかのようなバイデン氏の発言は傲慢(ごうまん)ともとれる。敗戦を思うこの時期、日本の政治家からはどんな声が出てくるか。まさか聞こえなかったことにするわけではあるまい」
と、政界の発言を注視する考えを示した。
韓国メディアは、共同通信や時事通信を引用しながら発言を伝えた。韓国の通信社「ニュース1」は、
「安倍晋三首相が憲法改正を自らの政治的宿願としている状況であることを考えると、バイデン氏の発言が日本国内の改憲論議にも影響を与える可能性があるという見方も出ている」
などと発言が改憲論を後押しすることを警戒。聯合ニュースは、バイデン氏の発言が「非常に異例」だとしながら、
「安倍首相が改憲の必要性を強調しながら『(軍隊保有禁止などを定めた)憲法9条は、日本が第2次世界大戦で敗れた後、日本を統治していた連合軍総司令部(GHQ)の強要で作られた』と明らかにしているのと同じ文脈だ」
と伝えるなど、安倍政権への警戒を強くにじませている。