リオデジャネイロ五輪の男子テニスのシングルスで銅メダルを獲得した錦織圭選手が、2016年8月17日のブログで五輪の戦いを振り返った。
14日(日本時間15日)の3位決定戦では、錦織が第2セット後の「トイレットブレーク」で対戦相手を待たせたのが話題となった。ブログでは、これに直接触れなかったものの、2セット目を取られた後の「気持ちの切り替え」に成功したことを率直に明らかにした。
「戦いながら緊張して体が震える」
錦織は13日、ロンドン五輪金メダリストのアンディ・マレー(イギリス)に0‐2で敗れ、14日の3位決定戦で過去1勝9敗のラファエル・ナダル(スペイン)と対戦した。第1セットは6‐2で先取したが、第2セットは5‐2から逆転されて6‐7で落とす。だが、第3セットを6‐3で取り、日本勢で96年ぶりの銅メダルに輝いた。
第3セット開始前、錦織は約12分間の「トイレットブレーク」を取り、ナダルをいら立たせた。ナダルは試合後、「12分間も試合が中断して、どうなっているんだと審判に尋ねた」と語るなど、錦織の長いブレークにいら立ちを露わにしていた。こうした経緯のあった2セットと3セットについて、錦織はブログで、
「3セット目戦いながらこの緊張して体が震えるのも今しか味わえないから楽しんどこうって思ってた。2セット目とられてあの少ない時間で気持ちを切り替えれたのが勝利のカギでしたね」
と綴った。トイレブレークには触れていないものの、気持ちの切り替えができたことを率直に明らかにし、トイレブレークの効果をほのめかすような内容だった。
このほか、ブログでは、けがの危険性を心配し、五輪に出場するかどうか悩んでいたとしながらも、
「終わってみたらそんなことより得たものの方が大きかった。この場でしか味わえない緊張感の中プレーでき、特に3位決定戦はそのプレッシャーの中ですごくいいテニスができた」
と満足気に振り返った。そして、「日本を背負って戦うことの重さ。日本に少しでもいいニュースを届けたい思い」を感じながら戦っていたとしている。