お笑い芸人の有吉弘行さん(42)がラジオ番組で「生まれて初めて熱中症になった」と明かした。熱中症の症状は、日中の厳しい暑さで意識がもうろうとする、また頭痛や吐き気、脱水症状がイメージされやすいが、有吉さんは「寒気」を「その日の夜になってから」感じたという。
ひと口に熱中症と言っても、あまり知られていない意外な症状があるのかもしれない。
「体温調節ができなくなります」
有吉さんが自身の熱中症体験を明かしたのは、2016年8月7日放送の「有吉弘行のSUNDAY NIGHT DREAMER」(JFN系)。ロケで1日中ずっと日向にいたが、水分をあまり取らずにいたという。
ロケ中は平気だったものの、時間を置いて異変が起きた。「その日の夜、ホテルで泊まってたら、めちゃめちゃ寒くなってさ。暑いのに」。さらに「風邪の時みたいに関節痛みたいなのが全身に出た。動悸がして、呼吸がハアハア荒くなっちゃって」と症状を説明した。その数日後、同じような症状が出た有吉さんの弟が「熱中症」と診断されたことを知り、自分も熱中症だったに違いないと思ったという。
有吉さん自身が病院で診断を受けたかは話さなかったが、熱中症に「寒気」や「夜になってから発症」はあるのか。医療法人優美会・吉井クリニック(大阪府吹田市)内科医の吉井友季子院長は、J-CASTヘルスケアの取材に対し、「ありえる症状です」としてこう答えた。
「熱中症になると、脳の視床下部(ししょうかぶ)が機能異常を起こし、体温調節ができなくなります。暑いのに寒気を感じたり、頭痛や動悸、関節痛なども起きたりする可能性があります」
脳の視床下部は、体温調節や血圧、代謝を司る自律神経系の中枢で、生命維持の中核を成す。日中の暑さですぐに熱中症の症状が出るとは限らず、「しばらくしてから、吐き気や、めまい、倦怠感などを訴えられる人もいます」という。