【あのネットサービスは今】(3)
アイドル育成ゲームの声優版「コエスタ」 1周年報告の数時間後に「サービス終了」

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   スマートフォン向け声優育成ゲームアプリ「コエスタ」が近く、サービスを終了する。

   「終了」の発表は2016年8月1日。Android版アプリのリリース1周年を迎えたばかりのタイミングだった。同ゲームの公式ツイッターも「1周年」を報告したのだが、そのわずか数時間後に「重要なお知らせ」を掲載することとなった。

  • 写真は「コエスタ2」ダウンロード画面より (C)FELISTELLA / THINK&FEEL 2015
    写真は「コエスタ2」ダウンロード画面より (C)FELISTELLA / THINK&FEEL 2015
  • 写真は「コエスタ2」ダウンロード画面より (C)FELISTELLA / THINK&FEEL 2015

オーディションでライバルと競わせながら育てていく

   「コエスタ」は、プレーヤーがマネジャーとなり、アイドル声優になることを夢見る少女たちを成長させていくゲーム。さまざまなオーディションでライバルと競わせながら、少女たちを一人前の声優に育てていく。声優やアイドル好きには注目を集めた。

   アプリは基本的に無料だ(アイテムは課金制)。運営・開発はFELISTELLAとシンク・アンド・フィールが共同で行っており、15年7月31日にAndroid版がリリースされ、12月にはiPhone版がリリースされた。さらに16年に入ってからはバージョンアップ版となる「コエスタ2」も配信されるなど、順調そうに見えていた。

   公式ツイッターアカウントは8月1日、「コエスタもAndroid版リリースから、1周年を迎えることができました。ありがとうございます」とツイート。さっそくユーザーからは「おめでとうございます!」「これからも楽しみにしております」とのコメントが届いた。

   しかし、そんなお祝いムードはすぐに一変する。同アカウントは1分後にメンテナンスに入ることをアナウンス。そして、それからわずか2時間半後に「重要なお知らせ」として、「コエスタ」「コエスタ2」のサービス終了を唐突に発表したのだ。9月30日15時に完全終了するという(課金停止は8月31日15時)。

   ユーザーらからは「このまますべて消えてしまうなんて悲しすぎます」「一周年迎えたばかりなのに...非常に惜しいです...」などと惜しむ声が寄せられた。

   公式サイトの声明には「今後のサービス続行に関しまして、皆様によりご満足いただけるサービス提供が困難であるという判断に至りました」とあるのみで、具体的な理由は書かれていない。一体何があったのか。

予定していたストーリー等は全て配信

   J-CASTニュースがFELISTELLAに取材を申し込んだところ、担当者は

「我々の宣伝力不足で、ユーザーの皆さまにきちんとお伝えすることが出来ず、売り上げが伸び悩んでおりました。その結果、これ以上のサービス提供(運営・開発)は不可能と判断しました」

と、終了決定に至った背景を明かした。

   スマホアプリの中でもゲーム分野は最大の激戦区だ。新作が次々発表される中、多くの注目を集めることはなかなか難しい。コエスタも「宣伝」の部分でつまずいてしまったようだ。

   もっとも、ゲームアプリが短命に終わることもよくあることで、配信開始から1年未満で撤退するケースも珍しくない。ただ、「1周年報告」直後の「サービス終了報告」という公式ツイッターのあまりに急な展開は、プレーヤー以外の人々の間でも話題になった。

   これについて同社担当者は「どちらも当初予定していた通りの告知日ではあるのですが、作業時間の都合で近い時間にアップさせていただきました」と説明。結果的に混乱を招き、申し訳なく感じているという。アプリのダウンロード数も聞いたが、明らかにできないとのことだった。

   ネット上の反響については「正直驚いております」とのことで、

「お叱りの声、残念に思っていただいている声等、様々な声をいただいており、スタッフ一同、恐縮しております。本当に申し訳ございません。サービス終了まで残り短い期間ですが、予定していたストーリー等は全て配信する予定でいますので、ぜひお楽しみいただければ幸いです。なんとかコエスタが継続できないか、いろいろ考えています。ぜひユーザーの皆さまの『コエの力』をいただければ嬉しいです」

と話した。

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