原沢は「リスクを取って攻めに行かなかった」?
全日本柔道連盟理事・強化委員長の山下泰裕氏も、「今回、金を取った3人(大野将平、ベイカー茉秋、田知本遥)はリスクを取って攻めに行った」と、試合後の総括の中で、小川氏に類する発言をしている。
もともと、組み合いを避け、半身を取って逆に相手が逃げているような印象を審判に与えるのがリネールの柔道だとされ、従来通り、その戦術を徹底したに過ぎないという見方もできる。穴井氏も「(磨き上げた戦術)だからこそ、これだけ勝ち続けることができるのかなと。(挑戦する側も)視点を変えていかなければならないかもしれない。そういう相手を倒してこそ本当のチャンピオンだ」という発言を試合後にしている。
ツイッター上では「指導の数での勝敗はやめてくれ」「フランス代表のせこい柔道」という声の一方、「これがJUDOなんだろ」「いつから柔道は技ではなく積極性をアピールする競技になった?」といった声とで見解は二分している。
当の原沢本人は、試合直後のインタビューで「前半しのいで後半勝負というプランだった。自分の組手になるチャンスが少なくて、組んでもものにできなかった」と悔しさをにじませた。最後に
「リネールにはチャンスがある限り挑戦し続けたい。また頑張ります」
と残し、競技場を後にした。