リオ五輪卓球男子シングルス3位決定戦が2016年8月12日朝(日本時間)に行われ、4-1で勝利した水谷隼選手(27)が銅メダルを獲得した。日本卓球界初となる個人メダル獲得に、各界から「日本卓球の歴史を変えた!」と称賛する声が上がっている。
さらに、水谷選手は偉業達成の数時間前に行われた準決勝の試合でも、インターネット上を「魅了」していた。世界ランク1位の馬龍選手と展開した激しいラリーに、ネットユーザーは「まるで漫画みたい」「卓球史に残るラリーだ」と大興奮の様子だった。
ツイッターのトレンドも「水谷選手」一色に
水谷選手は12日朝、3位決定戦でベラルーシのウラジーミル・サムソノフ選手と対戦。立ち上がりから2ゲームを連取するなど、試合の主導権を握った水谷選手が4-1のスコアで勝利をつかんだ。
第5ゲーム、水谷選手が10-8とリードして迎えたマッチポイントの場面。サムソノフ選手が打ち返したボールがネットにかかると、水谷選手は両手を高く掲げ、力尽きたように後ろへ倒れ込んだ。フロアに横たわった水谷選手は、その体勢のままガッツポーズを連発。喜びを、全身で爆発させた。
卓球では日本男子、シングルスともに初となるメダル獲得。日本卓球界の「歴史を塗り替えた」水谷選手の勝利に、ネットは沸いた。ツイッターなどには、
「水谷!!!すごすぎる!!!! 日本卓球の歴史を変えた!」
「決まった瞬間ガッツポーズした!おめでとう」
といった祝福のコメントが殺到。12日朝には一時、ツイッターのトレンドワード(全10件)のうち半分を「水谷隼」「水谷くん」「あと1ゲーム」など関連ワードが占める「異常事態」になっていた。
さらに、水谷選手が成し遂げた偉業には、各界の著名人も祝福のコメントを続々とツイッターに寄せている。
元NMB48の梅田彩佳さんは「すごいすごいすごいすごい! 歴史を変えたー!!! 水谷選手!」と興奮気味にツイート。テレビ東京の鷲見玲奈アナウンサーは「日本卓球界の歴史が動きました」と称賛の言葉を送っていた。
準決勝では「卓球史に刻まれる名ラリー」
「(3位決定戦で)負けたら本当に死にたくなると思った」――試合後のインタビューで、こう語ったという水谷選手。試合に懸けた思いの強さを伝えたこの言葉に、アルピニストの野口健さんは「学生の頃、同じ事を感じながらエベレストに挑戦していた」として、「物凄くよくわかる」とツイッターで共感を示していた。
また、ネット上などで「水谷選手と顔がそっくり」と話題になっていたお笑い芸人の波田陽区さんも、試合が決した直後に「水谷選手おめでとうございます!!」と祝福。その上で、
「僕も水谷選手のように強い男になれるよう頑張ります!!今日は『残念!』ではなく『万歳!』です」
と自身の持ちネタをからめて喜びを綴っていた。
このように、列島全体が沸いた水谷選手のメダル獲得。実は、前日11日夜に行われた準決勝・馬龍選手との試合でも「卓球史に残る」との声が上がるほど、ネットユーザーが「大興奮」した一幕があった。
「世界王者」の馬龍選手相手に3-2と水谷選手が食い下がる展開で迎えた第6ゲーム。その中で、2人が長く激しいラリーを繰り広げる場面があった。馬龍選手が打ち込んだ鋭いスマッシュを、水谷選手は卓球台から大きく離れ、全身を使って強く打ち返す激しい展開。
結果として、27往復に及んだこのラリーを制したのは馬龍選手。水谷選手の打球がわずかに台を逸れると、馬龍選手は飛び上がって大きくガッツポーズを見せた。
この熱い展開には、会場の観客がスタンディングオベーションで歓声を上げていたほか、日本のネット上でも「まるで漫画みたい」「卓球史に刻まれる名ラリーでした」と大きな反響が広がった。
こうしたラリーに代表されたような水谷選手の「健闘ぶり」には、観客からも熱い歓声が送られたようで、現地入りしていた朝日新聞の記者は「会場から『ジャポン』コールが出ています」とツイッターで報告していた。