ニッセンにも大鉈
西武百貨店は戦前、東京・池袋で「武蔵野デパート」として出発した時から、立地からして「高島屋」「三越」のような主流派ではなかった。ただ、小説家でもあったカリスマ経営者、堤清二氏のもとで20世紀後半にはおしゃれな雰囲気を醸し出していた時期もあった。今回のリストラで全国の西武百貨店は2017年3月以降、11店になる。これまでに「西武」と名のつく店は少なくとも40店ほど閉店され、残ったのは池袋本店のような地域の中核店舗のみ。防戦一方の中で、どこまで巻き返せるかが問われる。
一方、ニッセンについては株式の50.74%(議決権ベース)をセブン&アイが保有する。ニッセンの株主に対してセブン&アイの株式を割り当てる「株式交換」と呼ばれる方法ですべての株式を手中にする。交換比率はニッセン株1株に対し、セブン&アイ株0.015株。カタログ通販はアマゾンジャパンなどネット通販大手の浸透で業績が悪化。ニッセンも赤字続きで、債務超過の恐れもあることから、セブン&アイが経営支援し、人員削減などの大鉈を振るうことになった。
これで、残る大きな問題はイトーヨーカ堂だ。もの言う株主の米ファンド「サード・ポイント」からもリストラを迫られている。セブン&アイは不振の40店を2020年までに閉店し、このうち20店を2017年2月期に閉鎖すると公表済み。井阪新社長のもと、閉鎖店舗を精査中とされる。16年10月に予定される8月中間決算の発表に合わせて抜本的なリストラ策が公表される可能性があり、ヨーカ堂改革にどこまで踏み込むか注目されている。