リストラの外堀は埋まった セブン新体制、次はヨーカ堂改革

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   セブン&アイ・ホールディングスは2016年8月2日、新たなリストラ策を発表した。東証1部上場のカタログ通販大手、ニッセンホールディングスを11月1日に完全子会社にする。また、傘下の百貨店事業会社「そごう・西武」の西武筑波店(茨城県つくば市)と西武八尾店(大阪府八尾市)をいずれも2017年2月末で閉鎖する。稼ぎ頭のコンビニエンスストア「セブン-イレブン」を中心とする小売りグループとして、低迷する事業の構造改革を加速する。

   カリスマ経営者としてセブン&アイに君臨した鈴木敏文氏(前会長兼最高経営責任者=CEO)が経営の一線を退き、「鈴木派」の村田紀敏社長も退任したのを受け、5月に発足した井阪隆一社長をトップとする新体制のもとで、初の本格リストラ策の発表だった。

  • セブン&アイが構造改革を推し進める
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350人の希望退職者を募る方針

   そごう・西武は2016年2月末、西武春日部店(埼玉県春日部市)を閉鎖。西武旭川店(北海道旭川市)とそごう柏店(千葉県柏市)も9月末で閉めることを決めている。今回発表した西武筑波店、西武八尾店を含め、これらの郊外都市型店舗は大型ショッピングモールや衣料専門店などに客足を奪われるなどして売り上げが低迷している。改装などでテコ入れしても業績改善の見通しが立たないと判断した。追加で2店閉鎖することを受けて配置転換では人員を受け入れきれないと判断し、45歳以上の正社員を対象に350人の希望退職者を募る方針だ。

   西武八尾店は、近鉄八尾駅前に1981年に開業。関西人の中には「やーおー、やおやーお、やーおー」という開店時のテレビCMを懐かしく思い出す方もいるだろう。売上高はピークの1992年2月期に383億円に達したが、その後は低迷し、2016年2月期には155億円とピークの半分以下に落ち込んだ。JR大阪駅前に阪急や阪神、大丸といった百貨店が林立し、郊外都市からやってくる人を含めて激しく顧客を奪い合う。そうした一種のストロー現象も影響したようだ。

   西武筑波店は「つくば科学万博」が開かれた1985年にオープン。ピークの1992年2月期の売上高は248億円だったが、2016年2月期には半分程度の128億円に落ち込んだ。東京・秋葉原とつくば市を結ぶ高速鉄道「つくばエクスプレス」が2005年開業したことに伴い、大型ショッピングモールなどの商業施設進出が加速し、売り上げ低迷が決定的になった。郊外都市型百貨店の経営の厳しさを象徴するような店だ。

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