天皇陛下の「やり残した仕事」 退位前「訪韓」に関心強める韓国メディア

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   天皇皇后両陛下は、第二次世界大戦の犠牲者を追悼する「慰霊の旅」を2016年に入っても国内外で続けてきた。ただ、1992年には中国を訪問したが、韓国訪問はいまだ実現していない。そんな中で、天皇陛下がビデオメッセージで退位の意向を強く示唆したことを受け、「ご学友」が「(退位まで)時間があるうちに、し残した仕事をやってほしい」として、韓国訪問を提言した。

   ビデオメッセージを天皇陛下の訪韓と関連付けて報じる韓国メディアも多いが、2012年には李明博(イ・ミョンバク)大統領(当時)が天皇陛下に謝罪を要求したとして日韓関係が一気に冷え込んだという経緯があり、「退位」と「天皇訪韓」をめぐり、韓国では議論が起き始めている。

  • 天皇陛下の「お気持ち」表明をきっかけに、韓国メディアでは「天皇訪韓」への関心が高まっている(画像は宮内庁提供動画より)
    天皇陛下の「お気持ち」表明をきっかけに、韓国メディアでは「天皇訪韓」への関心が高まっている(画像は宮内庁提供動画より)
  • 天皇陛下の「お気持ち」表明をきっかけに、韓国メディアでは「天皇訪韓」への関心が高まっている(画像は宮内庁提供動画より)

聯合ニュース「韓国訪問は宿題として残った」

   韓国訪問を提言したのは、天皇陛下の学習院初等科から大学までの「ご学友」として知られる、ジャーナリストの橋本明氏。16年8月8日夜にTBSで放送された特番で、沖縄、硫黄島、サイパン、パラオ、フィリピンなど「慰霊の旅」を続ける両陛下についてのVTRが流れた。直後に発言を求められた橋本氏は、

「天皇陛下は胸の髄まで平和主義者であります。その平和主義者である天皇の希望をまともに受けて、しっかりとした手を打つように、内閣に私は望みたいと思う。しかし、天皇には、これから本当に退位されるまでは、まだ時間がある。その時間があるうちに、し残された仕事をやってほしい。それは韓国訪問だ」

と述べた。橋本氏は「ご学友」であるだけに、天皇陛下の心中を忖度して発言した可能性もあるが、安住紳一郎アナウンサーは、橋本氏の発言には特にコメントせず、別の解説者に発言を促し、その後、「天皇訪韓」の話題は取り上げられなかった。

   韓国メディアは、天皇陛下の訪韓を「宿題」と位置付けている。聯合ニュースは、ビデオメッセージに関連した報道として

「彼(天皇陛下)は日本が起こした侵略戦争で苦しんだ国や激戦地を回って犠牲者を慰霊し、平和と和解のメッセージを送った。韓国訪問は宿題として残った」

と伝えている。実際、天皇陛下は2015年にパラオ、2016年にもフィリピンを訪問しており、体力的な面からすれば、韓国訪問が不可能といえず、橋本氏は、この懸案解決を促したとも言える。

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