「事故物件」の情報がネット上で検索できる時代
今回の賠償命令について、ツイッターなどでは、ちょっとおかしいのではないかと疑問や批判が次々に寄せられている。
「管理者責任って結構むちゃくちゃな要求だ」
「最後のいやがらせのために会社で自殺する人が出るな」
「共有部ならビル所有者の責任だろ」
一方で、「真っ当に労働させてれば会社で自殺するわけない」などと、入居企業の賠償責任を認めた判決の意味を推し量る向きもあり、様々な議論が出ている。
ツイッターでこの判決について発言した岡村久道弁護士は、J-CASTニュースの取材に対し、次のように指摘する。
「今回の背景には、事故物件の情報がネット上で検索できるようになり、物件価値が下がってしまっていることがあるのでは。しかし、従業員を自殺させないよう配慮する注意義務を負うというのは、聞いたことのないような判決です。これが一般論になると、企業は非常に特殊な義務まで負ってしまうことになります。どこまで一般化するべきかは、大きな議論になることだと思いますね」
岡村弁護士は、ビル所有会社も今後は厳しいことになりかねないと言う。
「所有会社側も、非常階段に出られなくしたりネットを張ったりしないといけなくなり、何をしていたのかと言われるからです。非常階段からの飛び降りを防ぐのは難しいので、判決は控訴審で覆る可能性があるでしょう」