「(SIM)ロックしないことが望ましい
スマホの契約者が負担する端末代金について、総務省は「1万円程度での販売」であれば「行き過ぎた値引き」には当たらないとの判断を示したが、公取委も「金額がどこまでならよいのか一律的に示すことはできないが、ある程度小額の割引であれば影響は大きくならないと考えている」と、総務省の見解をある程度、追認する考えを示してはいる。
しかし、公取委は「通信契約と端末販売の分離」まで大手携帯会社に求めることになった。総務省は「ゼロ円スマホ」の是正を目指したが、「通信契約と端末販売の分離」までは求めていなかった。さらに公取委は端末のSIMロックについて「(格安スマホなど他社への)乗り換えの障害となるため、ロックしないことが望ましい」と解除を求めたほか、「2年縛り」となっているスマホ契約の自動更新についても「契約解除料は必要最小限にすることが望ましい」など、総務省の指導を上回る厳しい指摘を連発した。
公取委は大手携帯会社に「各社の動向を注視し、違反があれば厳正に対処する」と明言。大手携帯会社は「これまでも適正な販売に努めてきたが、今後の対応を検討したい」などと表明した。
今回の公取委の指摘について、格安スマホ会社などは歓迎するが、大手携帯会社からは「現行の端末料金の割引に満足しているユーザーも多い」「端末代金と通信料金の分離は新商品の売れ行きに影響するため、慎重に対応せざるを得ない」と困惑する声が聞こえる。公取委は大手携帯会社に「早期に自主的な対応をとることを期待する」としており、各社の対応が注目される。