楽天、ヤフーとの激しい価格競争
事態の全容解明に向けて、今後、公正取引委員会はアマゾンジャパンを詳しく調べることになるが、アマゾンジャパンに不公正な取引方法の疑いがかかった背景には、楽天市場(楽天)やYahoo!ショッピング(ヤフー)との競争激化があるとみられる。
アマゾンは事業者から商品を買い取って価格を決め自社で販売するビジネスモデルを主力に、事業者がアマゾンのショッピングサイトに出店して商品を販売する「マーケットプレイス」にも注力している。
一方、ライバルの楽天やヤフーは、そのマーケットプレイスが主力事業。アマゾンに出品する事業者が同じ商品を、楽天市場やYahoo!ショッピングにも出品するケースは増えており、「低価格」が消費者をサイトに誘引する重要なファクターとなっている。
たとえば、ヤフーは2013年10月からサイトに出店する事業者の出店料を無料にした。事業者に出店しやすくしたほか、コストがかからないほうが低価格に設定しやすく売り上げを伸ばせるからだ。取扱商品の種類も豊富になり、事業者を囲い込みしやすいこともある。
アマゾンは、こうしたライバルに対抗していくため、行き過ぎた取引方法に走っていたのか。公取委の判断が注目される。