天皇陛下の脇にあった「皿」と「石」 ネットで「特定」進む

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   天皇陛下が自らのお気持ちを表明したビデオメッセージは、発言内容そのもの以外にも、ネット利用者にとって多くの点で関心を呼んだ。テレビ各局がつけたテロップや、天皇陛下の背後に映り込んでいる皿や石といった物体などだ。

   放送が始まってからまもなく、背景に映った「物体」について具体的な分析が進んだ。ネット上では「特定班」への称賛の声も上がる事態となった。

  • ネットの興味は背景の「皿と石」にも向けられた(画像は宮内庁提供動画より)
    ネットの興味は背景の「皿と石」にも向けられた(画像は宮内庁提供動画より)
  • ネットの興味は背景の「皿と石」にも向けられた(画像は宮内庁提供動画より)

右側の皿「柿釉と縄文象嵌の技法から推し量るに...」

 

   まず、「特定」が進んだのが、宮内庁が2016年8月8日15時に公表したビデオで、天皇陛下の右側に映っていた皿だ。早くも15時5分にはツイッターに

「柿釉と縄文象嵌の技法から推し量るに、益子焼の人間国宝、故・島岡達三の作品ではないかと思われます」

という声があがり、15時39分には写真とともに「柿釉象嵌大鉢」と呼ばれる作品なのではないか、という指摘が出た。

   島岡氏は07年に死去しているが、天皇皇后両陛下は1996年に栃木県益子町にある島岡氏の工房を視察している。

   その次に話題になったのが、天皇陛下の左側に映っている石のようなものだ。石を室内に飾って楽しむ「水石(すいせき)」の一種で、18時前には

「この石は虎石と呼ばれるもので、恐らく滋賀県の瀬田川産ではないかと思われます」

といった声が出た。これ以外にも、マイクやカメラの機種を推測する声も出ており、様々な分野で「推測合戦」が盛り上がった。

   一連のツイートには、

「面白かった。好きこそものの上手なれの集合知」
「皿やマイクはともかく、石の産地が瀬田川だとか、映像からカメラの型番だとか、特定班はすごいなぁ」

といった声が相次いだ。

「お気持ち」テロップのフォントにも注目が

 

   また、宮内庁の動画にはテロップは入っておらず、テレビ各局は独自に陛下の言葉をテロップとして画面に表示して放送した。このフォントにも注目が集まった。特にNHKについては、15時14分には「天皇陛下 お気持ち表明」というタイトルと、天皇陛下の発言内容を記したテロップが、普段はあまり使われない「DFP超極太楷書体」呼ばれるフォントが使われているという指摘がツイッターで出た。

   その後は、民放ごとに、日本テレビのゴシック体、テレビ朝日、TBS、フジテレビ、テレビ東京が使用した明朝体のフォントも特定されて、ツイッターで発信された。また、普段は多くの民放には追随しないテレ東も、今回は同時刻にビデオメッセージを放送して注目されたが、そのテレ東だけがフォントに「斜体」を使ったとして、やはりテレ東は「個性がある」と話題になっていた。

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