東京都杉並区で行われたサンバパレードに火炎瓶のようなものが次々に投げ込まれ、見物客ら15人が手足にやけどを負う事態になった。現場近くで自殺した男(68)の犯行と見られているが、どうやって「火炎瓶」を用意したのか。
通りから「おい! コラ」と怒鳴り声が響いたが、次の瞬間、「パーン」とガラスが割れるような音がして、火柱が上がった。
携帯用ガスバーナーを瓶に巻き付ける
ユーチューブに見物客が投稿した動画には、火炎瓶のようなものが投げ込まれる瞬間が映っていた。
京王井の頭線・富士見ヶ丘駅近くの商店街では、2016年8月7日夜の事件当時は「七夕祭り」が行われていた。投げ込まれたのは、サンバカーニバルのパレードの列が通り過ぎた直後だ。目撃者の話では、通り添いの住宅3階から上半身裸の男がいきなり「火炎瓶」投下を始める。見物客らは避難して遠巻きに見守ったが、その制止を聞かずに計4回ぐらい投げ込んだ。
3階の部屋からも火が出たほか、この住宅に住む一人暮らしの男は、2階へ降りる階段で首を吊っているのが見つかった。男は救急車で病院に運ばれたが、翌8日に死亡した。警視庁高井戸署が殺人未遂の疑いで調べている。男は、「祭りがうるさい」と知人に不満を漏らしていたという。
報道によると、火炎瓶のようなものは6個投げ込まれていた。その中からは、液体が入った瓶に粘着テープで携帯用ガスバーナーが巻き付けられたものが見つかった。割れずに残っていたものも2本ほどあり、油の臭いがした。
男の自宅からは、この「火炎瓶」が複数見つかったほか、改造した洋弓銃のボウガンやドローンも見つかったという。