天ぷらの「通」なら「塩で」? 老舗店に聞いた

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   天ぷらは、「つゆ」と「塩」のどちらで食べるべきなのか――。インターネット上で、天ぷらの「通な食べ方」をめぐる議論が白熱している。

   ネット掲示板には「天つゆが圧倒的」「最終的にたどり着くのは塩」など様々な意見が出ている。はたして、天ぷらにつける調味料に「正解」はあるのか。老舗天ぷら店の専務取締役に話を聞いた。

  • 天ぷらの「通な食べ方」めぐりネット激論
    天ぷらの「通な食べ方」めぐりネット激論
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「つゆ」で食べるのは「貧乏人」?

   天ぷらの食べ方をめぐる議論が勃発したのは、2016年8月3日夜にネット掲示板「2ちゃんねる」に立った『天ぷらに塩以外をつける奴って貧乏人だよな』と題したスレッドがきっかけだ。

   このスレッドを立てた投稿者は「塩で食べると美味しい天ぷら、天つゆつけないとおいしくない天ぷら、どっちが高いかわかるだろ?」として、高級な天ぷらは「塩」で食べるものだという持説を披露。こんな挑発的な書き込みをめぐり、ネットユーザーからは「ほんとの天ぷらは塩で十分」「好きに食えばええやろ」など賛否両論の意見が出ていた。

   その後、スレッド上の話題は投稿者の書き込みから徐々に離れ、「天ぷらの通な食べ方」自体をめぐる議論に発展。「塩派」と「天つゆ派」が熱いバトルを繰り広げることになった。

   掲示板へ寄せられた書き込みをみると、

「店でなら塩一択だけど」
「最終的にたどり着くのは塩」
「普通に天つゆが圧倒的だと思うが」
「塩好きはきつい刺激に慣れてるだけだから、天つゆのまろやかで複雑な味がわからない」

などと両派が激しい意見をぶつけ合っている。そのほか、「天ぷらにはウスターソースだろ」「カレー粉が合う」などと「第3の選択肢」を推す声や、「通は何もつけずに食うんだよ」「多様な楽しみ方を知っているのが通」といった指摘も数多くみられた。

老舗店は「天ぷら論争」をどうみるのか

   ネット上で定期的に話題を集めるこうした論争について、当の天ぷら職人はどのように考えるのだろうか。1924年創業の老舗天ぷら店「新宿 つな八」の元職人で現専務取締役の男性は8月5日、J-CASTニュースの取材に対し、

「天ぷらはお客様に味付けをお任せする料理ですので、好きなように楽しんで食べるのが一番です。お店に用意されている調味料であれば、どのような食べ方であろうと全く問題ありません」

と話す。だが一方で、天ぷらは「素材そのものの味を楽しむ料理」という点も強調。「好きな食べ方をして頂ければとは思いますが、カレー粉やソースなど味の強い調味料はあまりおすすめできません」とした。

   さらには、素材と調味料の「相性」があることも確かだという。専務は「どちらかといえば」と前置きした上で、アナゴやかき揚げなど味の濃い揚げ物には「天つゆ」、キスやエビなど味の薄い揚げ物には「塩」が合うと説明していた。

   なお、ニュースサイト「マイナビスチューデント」が15年3月に記事中で結果を公表した2択アンケート(有効回答数500)によれば、「天つゆ派」は321人(64.2%)、「塩派」は179人(35.8%)だった。

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