東京都の小池百合子知事は2016年8月5日、就任後初めて臨んだ定例記者会見で、リオ五輪の閉会式に出席するための5人分の出張費用が約1000万円になる見通しを示した。
1人あたりの費用は200万円程度となるが、小池知事は、リオが米国や欧州よりも遠い点や、出張まで残された時間が短く「『早割』の類が見つけにくい」などと理解を求めた。
IOCからホテルの提供受けてコスト削減
小池氏は8月21日(日本時間22日)に行われるリオデジャネイロ五輪の閉会式で、五輪旗を次の開催地に引き継ぐ式典「フラッグハンドオーバー」に臨む。8月18日に日本を出発し、24日に日本に戻る。滞在中はリオ五輪の運営状況を視察したり、IOC(国際オリンピック委員会)関係者にヒヤリングを行ったりして、東京五輪の運営に生かしたい考えだ。
小池氏は記者会見で、航空機はファーストクラスではなくビジネスクラスを利用し、ホテルはスイートルームではない部屋に宿泊してコスト削減を図ることを強調。
「IOCからホテルの提供を受けることになっている。結果的に経費の削減に寄与する」
とも述べた。出張するチームの人数は小池氏含めて5人にとどめ、1000万円という金額については
「皆さんからすればお高いと感じられるかも知れませんけれども、地球の裏側に参ると言うことと、十分な期間を...、何て言うんですか、『早割』とか、その類のものをちょっと見つけにくいのが実情」
と理解を求めた。
なお、小池知事の一行とは別に、東京五輪・パラリンピックの準備のため、リオの状況を調査するチームが現地に向かうことになっている。
舛添前知事の時代で最も問題視されたのは、2015年10月27日から11月2日にかけて5泊7日の日程で行われたパリ・ロンドン出張。舛添氏を含む20人が現地を訪れ、5041万9000円が費やされていた。1人あたり約250万円かかったことになる。