人気グループ「TOKIO」の山口達也さん(44)の行った離婚会見は、まさに「異例づくし」だった。
離婚については2016年8月5日午前、所属するジャニーズ事務所がファクスで発表し、会見は同日午後に行われた。ジャニーズタレントによる離婚会見自体初めてのことだったが、山口さんは報道陣に「皆さんの質問には全て答える」と宣言。離婚会見とは思えぬ和やかなムードで進行した。
「さっきも電話をもらった。未だに仲は良いです」
山口さんは2008年、8年間の交際を経て元モデルの女性と結婚。同年5月には長男が、10年9月には次男が誕生した。しかし結婚から8年、夫婦は離婚の決断を下した。8月5日午前に離婚届を提出したという。
山口さんは原因について「自分が仕事や趣味のサーフィン、お酒の付き合いなど自分のやりたいことを優先してしまった。彼女に家事一切を負担させ、甘えていた。大事な時にお父さんがいないというのは、私が思う以上に負担だったと思う」などと説明した。実際、山口さんが自宅に帰るのは「週に1~3日」だったという。
離婚の話が出たのは約3年前。くだらないことで毎日のようにケンカする中で、妻が「別れたほうがいいのかな」とつぶやいた。その後、何度も話し合いを重ねるうちに心が固まっていったという。
16年4月ごろには徒歩5分圏内で別居を始めた。距離を取ることにより「夫婦げんかはほとんどなくなった」そうだが、最終的には離婚という答えに至った。今後、2人の子供の親権は妻が持ち、山口さんは養育費等、子供に関わる全ての費用を受け持つ。
ただ、妻との関係はあくまで円満なようだ。山口さんは「離婚が決まってからも、子供たちに『お父さんはヒーローなんだよ』って言い続けてくれた。さっきも電話をもらった。未だに仲は良いです」と明かした。
離婚についても前向きに考えており、「離婚がネガティブにとらえられる傾向にあるが、私たちは関係にこだわっている。我々はこれが一番理想な形」とコメント。今後も5分圏内の家に住み、子供が自由に行き来できるようにするという。
山口さんは会見中、自らについては「本当に未熟で自分本位で幼稚だった」などと振り返ることが何度もあったが、妻に対しては「求めることはない」とし、悪く言うような言葉は一度も出てこなかった。
「夫婦げんかで眼帯」説は全否定
約40分におよんだ会見は、離婚会見とは思えないほど終始和やかな雰囲気だった。表情は穏やかで、質疑応答中には報道陣から笑い声が上がることも少なくなかった。
たとえば「ケガ」に関する質問の時のこと。山口さんは7月、左目に眼帯をした姿で情報番組「ZIP!」(日本テレビ系)に登場し、「自転車で転んだ」と説明していた。その後も眼帯はなかなか取れず、離婚発表後にはネット上で「もしかしたら奥さんとの間に何か...」との憶測が広まっていた。
これについて質問が及ぶと、山口さんは「これは自転車です」と笑い、「夫婦げんかでこれだったら相当な奥さんですよ!そしたらこっちから離婚してくださいって言う」と否定しながら冗談を飛ばしたのだ。
山口さんは質疑応答の最初に「皆さんの質問には全て答えるつもりです」と宣言した。報道陣からは財産分与の話や子供と夏休みに出かけた場所など、プライベートなところにまで質問が及んだが、山口さんはできる限りの回答をしていた。
そもそもジャニーズ事務所のタレントが離婚会見を開くのは今回が初めてのことだった。報道陣に指摘されると「そうですね...。ジャニーズ初っていうと聞こえがいいですね」と苦笑しつつ、「こういう場を設けてもらって、自分の口で言いたいことを言えるのは幸せなこと」として感謝の言葉を述べた。
「感動的ともいえるくらい、稀にみる円満離婚」
紙一枚で済ますこともできただろう離婚報告をこうした形で行ったこと、また、包み隠さずすべてを語った潔い姿勢はお茶の間に歓迎されたようだ。ネット上には、
「離婚は残念だけど、男前ですな」
「うっかりしてたら離婚会見って忘れがちな爽やかな潔い会見だったな」
「離婚しても子供と奥さんを守り続ける事だろう!」
「まじ泣けた。 紳士すぎる、、かっこよすぎる」
と好意的な声が数多く寄せられている。
会見を生中継していた「情報ライブ ミヤネ屋」(日本テレビ系)では、本村健太郎弁護士が「弁護士としていろんな離婚を見てきたが、感動的ともいえるくらい、稀にみる円満離婚」と評した。
なお、山口さんは「最後に」と切り出し、次のように語っていた。
「今日を機に(妻に対する)色々な憶測や誹謗中傷が出ることは間違いなく考えられる。(離婚については)僕が全て話したつもりですが、芸能界の方ではないので、温かく見守っていただけたらと思います。子供たちも、ものが分かる歳になってきました。夏休みが明けたら学校に行くことになります。僕はとにかく子供と奥さんを守っていきたいので、皆さんぜひ暖かく配慮いただけたら嬉しいなと思っております」
「ジャニーズ初」の離婚会見を開いたのはファンや関係者に自ら説明する意図も当然あっただろうが、すべてを説明し尽くすことで「家族」を守りたい、という思いが第一にあったのかもしれない。