住友理工(グローバル本社・名古屋市)が、全世界の従業員約2万4000人に「ポケモンGO禁止令」を出した。就業中はもちろんのこと、休憩時間、通勤や退勤時間も不可なのだ。また、拠点や工場内に「ポケモン」キャラクターが表示される可能性があるとして、侵入者を防ぐために警備体制を強化する。
ネット上では「どんだけポケモンが嫌いなんだ?」などといった感想も出ているが、同社は工場で働く人が多く、歩きスマホで事故などが起きないようにするためで、全ては従業員の安全を守るためなのだと説明している。
入場門の警備体制の強化とフェンスの再点検もする
同社は世界23か国に105の拠点を持つ世界企業。防振ゴム・ホース等自動車用部品は国内トップシェアで、精密ロール等IT関連部品なども手掛けている。そんな同社が2016年7月末に全世界の従業員に出したのが、歩きスマホ・ケータイ禁止の徹底化だ。J-CASTニュースが8月4日に取材すると、同社広報はきっかけとなったのが「ポケモンGO」のリリースだった、と説明した。
7月6日にアメリカなどで配信が始まり、22日には日本に上陸し、記録的な大ヒットが伝えられる一方で、歩きスマホが原因の事故や事件、そして敷地への不法侵入など様々な報道が出る事になった。同社は工場勤務の従業員が多く、敷地内ではトラックやトレーラーが走り回り、リフトやボイラーなど危険な場所がある。そういった理由から歩きスマホはもともと厳禁としていたが、「ポケモンGO」の登場でより強化しなければならないと考え、事務所勤務者を含む全従業員に通達した、という。
また、工場内にポケモンキャラが表示される可能性もあり、侵入者を防ぐため入場門の警備体制を強化するほかフェンスなどの再点検や、新たに進入禁止の看板を設置するなどの対策を講じていくのだという。
「ポケモンGO自体が問題だ、というのではなく、あくまで従業員の安全第一を考えての通達です。楽しみたい方は自宅に帰ってから、または休日などにご自由にどうぞ、というスタンスです」
と同社広報は説明した。