書き込んだ人物を特定するまでに1年以上かかった
今回の植村記者の長女のケースでは、長女が高校2年生だった14年9月、長女の顔写真、名前、学校名などとともに
「反日捏造工作員の父親に育てられた超反日サラブレッド。将来必ず日本に仇なす存在になるだろう」
などと書き込まれた。書き込んだ人物を特定するまでに1年以上かかり、提訴にこぎつけたのは16年2月のことだった。朝倉佳秀裁判長は、ツイートが原告のプライバシーや肖像権を侵害する違法なものであることは明らかで、原告の「恐怖と不安は耐えがたいものだった」と認定、男性側に170万円の支払いを命じた。中傷ツイートのスクリーンショットは拡散されたままで権利侵害の状態が続いているとして、賠償額は本来、原告の請求を上回る200万円が相当とだとした。
植村氏は、1991年に従軍慰安婦に関する記事を執筆。この記事について、北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会」(救う会)会長の西岡力氏が複数の雑誌で「捏造」だと主張していた。植村氏は15年1月、西岡氏を相手取って損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こしている。この余波で植村氏の長女にもネット上の批判が向かっていた。