いわゆる従軍慰安婦に関する報道にかかわった元朝日新聞記者の植村隆氏(58)の長女(19)を中傷する内容のツイッターの投稿(ツイート)で精神的苦痛を受けたとして、ツイートをした40代男性に170万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が2016年8月3日、東京地裁であった。朝倉佳秀裁判長は、ツイートが原告のプライバシーや肖像権を侵害する違法なものであることは明らかだとして、男性に対して請求通りの170万円を支払うように命じた。
植村氏は1991年に従軍慰安婦に関する記事を執筆。この記事について、北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会」(救う会)会長の西岡力氏が複数の雑誌で「捏造」だと主張していた。植村氏は15年1月、西岡氏を相手取って損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こしている。この余波で植村氏の長女にもネット上の批判が向かった。判決によると、長女が高校2年生だった14年9月、長女の顔写真、名前、学校名などとともに「超反日サラブレッド」などと書き込まれた。