神奈川大学(横浜市神奈川区)の学生がドイツの世界遺産「ケルン大聖堂(ザンクト・ペーター・ウント・マリア大聖堂)」に落書きし、同大が謝罪したことが波紋を広げている。
同大は今から1か月前の2016年7月9日、謝罪文を発表していたものの、当時はマスコミにほとんど報じられなかった。しかし、その1か月後、落書きをした学生のものとみられるツイートがまとめサイトに拡散され「炎上」、今になってようやく、複数の大手マスコミがそれを追いかけた形だ。
学生の処分は「検討中」
発表文によると、課外活動の海外研修中だった同大の学生2人が16年6月30日、ケルン大聖堂に落書きをした。
発覚後、同大は副学長を現地に派遣。副学長は7月7日(現地時間)、落書きをした学生とともに大聖堂を訪問し、大聖堂側に報告、謝罪した。大聖堂側は、謝罪を受け入れ、「今後の友好と信頼のために前向きなご示唆」を与えたという。
大学側は
「長い歴史の中でケルン大聖堂を愛し尊敬してきたドイツ国民、世界の皆様に心からお詫び申し上げます。神奈川大学は、良識ある市民として世界のあらゆる文化や宗教を尊敬し、世界に通用する教養を身につけた学生を育成する努力を続けてきましたが、その努力が足りなかったことを痛感し、厳粛に受け止めております」
と謝罪している。
今後、大聖堂の修復事業に協力するほか、再発防止のため、ケルン大聖堂の関係者などを招いて「ケルン大聖堂の歴史と伝統」「文化財の保存及び修復」といった教育を16年秋から実施するとしている。
同大は16年8月3日、J-CASTニュースの取材に「当該学生の申し出を受けた引率者から、大学に連絡が入った」と発覚までの経緯を明かした。
「課外活動」の具体的な内容は「個人が特定されるので答えられない」としたものの、学生の処分は「現在検討中」だという。