小池百合子新東京都知事に対し、自民党東京都連の幹部らが非礼な対応をしたとして、ネット上で批判が殺到している。幹部も総退陣との報道もあり、都議会での対決前に早くも自らつまづいた。
「小池への態度は幼稚すぎる。感じ悪いよ自民党」
「いい年して大人げない 恥ずかしくないのかね」
「やればやるほど小池が有利になるというのを、知事選で全く学ばなかったんだな」
自民党本部の公式ツイッターも炎上
小池百合子知事が2016年8月2日に初登庁し、あいさつ回りで自民党都連の幹部らから受けた冷遇ぶりが報じられると、ニュースのコメント欄などではこんな非難の声があふれた。
その余波で、自民党の公式ツイッターまでも炎上する事態になっている。
小池氏の登庁は、最初から異例の展開になった。
舛添要一前知事の初登庁では、都議会の議長や各会派代表がそろって舛添氏を出迎えた。ところが、都の議案課によると、小池氏に対しては、議長らに口頭でセレモニーがあると声を掛けたが、ほとんどが欠席だと知らせてきた。結局、行政主体のセレモニーとなり、議会からは知事選で支援した「かがやけTokyo」会派の3都議だけという寂しい光景になった。
都議会各会派にもあいさつ回りをした小池氏は、ここでもアウェーの洗礼を受けた。
まず議長室を訪ねたが、自民党の川井重勇議長は、握手に応じず、「知事と議会は両輪です。一輪車にならないように」とクギを刺した。報道陣から恒例の記念撮影を求められても、「あなたの要望に応える必要はないから」と突っぱねてしまった。
続いて、小池氏が自民党控室に向かうと、さらに異様な光景が待っていた。
小池知事を出迎えたのは、ナンバー3の高橋信博総務会長ら2議員だけ。「都連のドン」と呼ばれる内田茂幹事長の姿はなく、高橋氏も「たまたまいたから、対応しただけ」と素っ気なかった。5分ほどの予定も、わずか30秒ほどで終わってしまった。
自民都連幹部は総退陣か
舛添要一前知事の初登庁のときは、自民党都議全員が拍手で出迎えていたが、石原慎太郎氏が今回と同じような保守分裂選挙で初当選したときには、自民党都議全員がいなかったことがある。
「かがやけTokyo」会派の音喜多駿都議は2日、自らのブログで、こうした都連幹部らの対応ぶりを取り上げ、「しょうがくせいみたいないじめをするんですね!」と揶揄した。
石原伸晃都連会長は、経済再生相としての8月2日の会見で、自民党推薦の増田寛也氏が落選した責任について、「知事選は党本部マター。お金も都連でなく党本部が集めたものであり、責任者は幹事長だ」と述べた。都連会長としては責任逃れとも取れるコメントに、ネット上では、「無責任ではないか」という批判が起き、集中砲火を浴びている。
こうしたなかで、石原都連会長、内田茂幹事長ともに辞任する方向だとも報じられており、8月4日の都連幹部会で何らかの意思表明がされる見通しとなっている。
小池氏は、17年夏までには行われる都議選をにらんで、「小池新党」を作って対抗する予測も報じられているが、その前に自民都連が自滅する様相になってきた。